| 研究会名 | フィールドから語るイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティ |
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| 代表者 | 鳥山純子(日本学術振興会) junkoybn◆gmail.com |
| ◆を半角@に直してご利用ください | |
| 研究会の概要 | フィールドで日々時間を過ごす中、調査者は目の前の人々が生きるイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティを共に生きる「目撃者」となる。しかしながら、フィールドでの個人的経験はこれまで、しばしば「私的」、「親密」、なものとして、それが強烈な印象を残す出来事であっても、学術的な中心的課題として取り上げられる機会は限られてきた。とりわけ、これまでイスラーム研究をけん引してきた中東研究においてこの傾向は顕著である。 本研究会では、調査者がフィールドで直接・間接的に出会ったイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティ経験を掬い上げ、それらを直接語る経験を通じて、人々が生きる実態に沿ったイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティに迫ることを試みる。 |
| 代表者からのメッセージ | フィールドワークに興味のある学生や、フィールドで自らのジェンダーやセクシュアリティを突き付けられる機会の多い、女性や性的マイノリティのみなさんに広くご参加いただければと思います。性別を問わず歓迎いたします。 |
第3回研究会では、在野の研究者である伊東聰(イトウサトシ)さんによる「イスラームと性同一性障害」についての発表を中心に、セクシュアリティ、ジェンダーとイスラームを動態的に考察し、さらにはフィールドでの経験、学術知の生産、政治的活動の有機的つながりについて議論します。
■発表者:伊東 聰(AL-QASAS株式会社)
■発表タイトル:
イスラームという「フレームワーク」基盤・基礎のアウトライン 考察と実践
――性同一性障害研究・実践活動から見えたもの
■発表要旨
この発表は現在民間の「野良研究者」である発表者が、1997年~2017年までの20
年行ってきた「イスラームと性同一性障害」研究と、エジプト・イスラーム法学の研究知見から性同一性障害特例法を制定することができた、という実践事例を報告し、研究の一助になることを願うものである。現在、
2018年5月にWHO(世界保健機構)総会で国際標準の診断基準であるICD11の改定が承認されれば、性同一性障害(GID)
という疾患名が消えることになり、今年20周年になる医学学会は性同一性障害を冠する最後の学会となる。
また発表者個人は聴覚障害ももっている。従来の研究方法では一般の人々とは違う「観察される人間とされる側」が、イスラーム研究を通じてどのようなアウトプットを得ることができたか、をあわせて報告したい。
これまで本公募研究会、本科研の関連研究会、シンポジウムに参加されたことのない方も大歓迎です。子連れ参加可能ですので、ご検討されている方はその旨事前にご連絡ください(今回、託児人員は配備しておりません)。
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本科研は「子連れ研究会参加の通常化に向けた取り組み」を積極的に推進しています。詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~nagasawa/about/joinus_withyourchildren.html
また、資料準備の都合上、事前に以下のメールアドレスまでご連絡いただけますと助かります。
junkoybn@obirin.ac.jp(@を半角にしてご使用ください)
フィールドで日々時間を過ごす中、調査者は目の前の人々が生きるイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティを共に生きる目撃者となります。しかしながら、フィールドでの個人的経験は、しばしば「私的」、「親密」、なものとして、それが強烈な印象を残す出来事であっても、学術的な文脈で中心的課題として取り上げられる機会は限られてきました。そこで本研究会では、調査者がフィールドで直接・間接的に出会ったイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティ経験を掬い上げ、それらを直接的な議論の対象としながら、人々が生きる実態に沿ったイスラーム、ジェンダー、セクシュアリティに迫ることを試みます。 第二回目は、前回の研究会成果を受けた問題提起(鳥山)ののち、山本沙希さん(お茶の水女子大学博士後期課程)に、フィールド調査中に日々経験したタクシー運転手とのやりとりについて、〈性〉を切り口にした試論をご発表いただきます。山本さんの発表は、これまで、「個人的なフィールド経験」として主たる研究対象から切り落とされてきた、ご自身が経験された具体的な出来事を捉え直し、刻々と変化する関係性について議論を試みる非常に刺激的なご報告です。第一回目にご参加いただけなかった方々も、どうか振るってご参加ください。
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