東京大学東洋文化研究所と東京大学未来ビジョン研究センター安全保障研究ユニットの共催セミナーを以下の通り開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
セミナー概要
講演題目:「タイの国際秩序観の変遷:前近代期から21世紀への中国・日本・アメリカとの関係形成と変化」
講演者: キティ・プラサートスック教授(タイ・タマサート大学政治学部教授)(略歴は以下を参照)
日時:2025年7月15日(火)午後3:00-5:00(JST)
会場:東京大学東洋文化研究所 大会議室 & Zoom(ハイブリッド形式)
使用言語:英語
討論者:
●パッタジット・タンシンマンコン 講師(東京大学大学院学際情報学府・東洋文化研究所)
●佐橋 亮 教授(東京大学東洋文化研究所)
司会:佐橋 亮 教授
参加登録:こちらのフォームよりお申込みください
講演要旨 :
本講演は、前近代期以降におけるタイの地域秩序および国際秩序認識の歴史的展開を考察し、とりわけ戦後期以降において、タイがいかに変動する国際秩序に適応してきたかを分析する。すなわち、朝貢体制、植民地主義からの影響、現代の国際政治環境を通じて、アジアおよび西欧諸国、特に中国、米国、日本に対するタイの認識の変遷を検討する。さらに、現在の米中対立や「トランプ2.0」による既存の国際秩序の混乱に対するタイの対応を検討し、リベラルな国際秩序の維持における日本の役割についても提言を行う。
講演者略歴 :
キティ・プラサートスック氏は、タイ・タマサート大学国際関係学教授であり、タイ外務省国際問題研究センター(ISC)諮問委員を兼任する。これまで、同大学副学長(国際関係担当、2018-2021年)、東アジア研究所所長(2013-2018年)を歴任し、タイ国防省戦略委員会委員(2014-19年)として政策立案にも関与した。
プラサートスック教授は南カリフォルニア大学パブリック・ディプロマシー・センター非常勤研究員(2023-2024年)を経て、現在は国際交流基金研究員(2024-2025年)として九州大学において「地方創生」に関する研究に従事している。カリフォルニア大学バークレー校客員教授として「東南アジア国際関係論」を教え、オーストラリア国立大学、ミュンヘン大学、早稲田大学、北京大学、復旦大学、高麗大学校、延世大学校等の様々な大学においても講演を行なってきた。また、コロンビア大学、日経フォーラム、北京フォーラム、済州フォーラム、東南アジア研究所(ISEAS)ユソフ・イシャク研究所等に招かれ講演を行なった。
慶應義塾大学にて修士号を取得後、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得した。米タイ同盟、日本・東南アジア関係、ASEAN、海洋安全保障、タイ政治等の幅広い分野において多数の著作がある。近著に、Thailand,” in Hall, Lee Brown, and Strating (eds.), Blue Security in the Indo-Pacific (Routledge, 2025)がある。
お問い合わせ :
ssu@ifi.u-tokyo.ac.jp
主催:
東京大学東洋文化研究所
東京大学未来ビジョン研究センター安全保障研究ユニット
JSPS科研費「東アジア国際秩序の歴史的形成過程:非西洋国際関係理論と地域研究の接合」