
国際政治学を専攻しており、とくに以下の二分野を中心に研究している。
1)米中関係:歴史と現在における戦略的対立
アメリカの戦略や政策、またその底流に流れる政治や社会の変化に注目しながら中国をみている。概念としては信頼性(Credibility)、信頼(Trust)、権力移行に関心を寄せている。外交資料を利用し、アメリカ歴代政権の政策形成や、その核心にある考え方を探っている。代表的な業績は『共存の模索:アメリカと「2つの中国の冷戦史」』であり、分析概念の洗練化、事例分析における新しさの双方を目標にしている。
2)東アジアの安全保障秩序
このテーマに関連して、秩序、覇権、大国政治、同盟、危機にとくに関心を持っている。米中関係を研究していることとコインの裏表の関係にある。こういった概念に関心があるため、米中の二国間関係だけでなく、それと密接に結びついているアジアの国際関係、現代日本外交もかなりの時間を費やして研究してきた。
上記の研究関心に沿う個人研究、共同研究に従事している。2019年に主査を務めた“Worldviews on the United States, Alliances, and International Order(米国・同盟・国際秩序の連関性に関する外交方針の国際比較)”、「東アジアにおける安全保障秩序の変容」の最終成果を前者はContemporary Politics特集号、後者は勁草書房よりの編書として出版した。現在は個人研究に加え、「米中競争による先端技術分野の安全保障化の背景とグローバル経済への影響」の調査リーダーをつとめ、加えて研究分担者として複数のプロジェクトに従事している。