本書は、2013年に出版された『「新しい野の学問」の時代へ―知識生産と社会実践をつなぐために』 (岩波書店)の中国語版である。同書は、日本初のパブリック・フォークロア(公共民俗学)を主題とした書籍である。それは「見つめる」/「見つめられる」という関係に固定されがちであったフィールドワークを方法とする研究者とフィールドの人びととが、現代社会においてその関係性を超克しながら、新しい学知の場を創造し、そこで協働的な新しい知識生産や社会実践に挑戦するための、種々のアイディアやエッセンスを提示することを本書の目的としている。
いま、アカデミズムの狭いディシプリンに閉じ籠もることなく、多様な叡智と技能、経験を使う新しい学知が生まれつつある。 それは研究者や専門家のみならず、公共部門や市民、NPOなどが協働し知識生産と社会実践をむすぶ「新しい野の学問」である。 フィールドワーカーとして現実と向き合いながら、学知のあり方を問い直す。
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