本書は、2013年に出版された『「新しい野の学問」の時代へ―知識生産と社会実践をつなぐために』 (岩波書店)の中国語版である。同書は、日本初のパブリック・フォークロア(公共民俗学)を主題とした書籍である。それは「見つめる」/「見つめられる」という関係に固定されがちであったフィールドワークを方法とする研究者とフィールドの人びととが、現代社会においてその関係性を超克しながら、新しい学知の場を創造し、そこで協働的な新しい知識生産や社会実践に挑戦するための、種々のアイディアやエッセンスを提示することを本書の目的としている。
いま、アカデミズムの狭いディシプリンに閉じ籠もることなく、多様な叡智と技能、経験を使う新しい学知が生まれつつある。 それは研究者や専門家のみならず、公共部門や市民、NPOなどが協働し知識生産と社会実践をむすぶ「新しい野の学問」である。 フィールドワーカーとして現実と向き合いながら、学知のあり方を問い直す。
序章 | 我们,不是学者的天竺鼠 |
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第一部 | 行为实践的学术尝试――我开始斗牛的理由 |
1. | “进人”田野 |
2. | 被地震侵袭的田野 |
3. | 研究者位相的转变 |
4. | 实践中的政治学―震灾后的“大写的学问” |
5. | 贴近生活的“学术”――走向生活者之间 |
第二部 | 重新审视学术的存在方式 |
1. | “野之学问”的诞生及其衰退 |
2. | 被割裂的知识生产参与者们 |
3. | 逐渐向“公共” 敞开的学术 |
4. | 学院主义与社会实践的斗争史――美国的公共民俗学 |
5. | 走出知识的包围――模式2的知识生产模式 |
第三部 | “新野之学问”的可能性与课题 |
1. | “新野之学问” 时代的到来 |
2. | 对应于“新野之学问”的研究者 |
3. | 今后的学术挑战――与“新野之学问”的关系 |
结语 | 共感与感应的研究者像 |
参考文献 | |
后记 |
〔日〕菅丰(菅豊) 著、陈志勤、彭伟文、赵彦民 翻译
『走向“新野之学问”――知识生产和社会实践的结合』
山东畫報出版社, 289ページ, 2022年7月, ISBN: 978-7-5474-4222-7