近代の日本哲学のダイナミズムを気鋭の哲学者が活写
日本の近代思想において哲学を考えることは、日本の哲学的な経験を通じながら、そこに普遍化への努力をどう見ていくのかということになる。本書は、西洋哲学の受容と展開だけでなく、中国哲学やインド哲学などにも目配りをして、近代の日本哲学のダイナミズムを明らかにする。
【シリーズの特長】
●日本の近代思想を15のテーマに分け、その新たな読みなおしを提案する。
●近代を反映する重要テキストを精選・収録し、第一線の研究者が解説を付す。
●危機の時代である現代において、時勢に流されることのない基礎的かつ確実な内容を提示する。
総論 | 哲学という問題系 |
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Ⅰ | 日本哲学の系譜学 |
一 | 日本哲学と中国哲学 |
二 | 二つの啓蒙――福沢諭吉と中江兆民 |
三 | 霊魂不滅論争 |
Ⅰ | 資料編 |
Ⅱ | アカデミズムとしての哲学の成立 |
四 | 東京学派の哲学 |
五 | 近代日本における中国哲学 |
六 | 近代日本におけるインド哲学 |
Ⅱ | 資料編 |
Ⅲ | 帝国の哲学 |
七 | 京都学派の礎――西田幾多郎 |
八 | 世界史の哲学――高山岩男 |
九 | 帝国日本を支える論理――田辺元 |
一〇 | フィロロジーの行方――和辻哲郎 |
Ⅲ | 資料編 |
Ⅳ | 脱出の方位 |
一一 | 偶然性と未来への志向――九鬼周造 |
一二 | ディアスポラの哲学――三木清 |
一三 | マルクス主義哲学――戸坂潤 |
一四 | 東北大学で展開した哲学――高橋里美と高橋ふみ |
Ⅳ | 資料編 |
Ⅴ | 戦後の哲学 |
一五 | 戦後民主主義――丸山眞男 |
一六 | 戦後マルクス主義哲学――梅本克己 |
一七 | 経験と思想――森有正 |
一八 | 神秘について――井筒俊彦 |
一九 | 立ち現われ一元論――大森荘蔵 |
二〇 | 共同主観性――廣松渉 |
二一 | あわいの哲学――坂部恵 |
二二 | 装飾的思考――北川東子 |
二三 | 「自分」という謎――池田晶子 |
Ⅴ | 資料編 |
おわりに | |
参考文献 | |
あとがき |
中島隆博 著・責任編集 ,末木 文美士 責任編集
『日本の近代思想を読みなおす 1 哲学』
東京大学出版会, 432 ページ, 2023年12月, ISBN: 978-4-13-014251-9