News

教員の著作が刊行されました
崎濱紗奈 著『伊波普猷の政治と哲学——日琉同祖論再読 』(法政大学出版局)

著者による紹介

 沖縄研究のパイオニアである伊波普猷(1876−1947)という思想家の名前は、それほど有名ではないかもしれません。

 しかし、1879年のいわゆる「琉球処分」によって、大日本帝国の版図へと組み込まれた「琉球・沖縄」が辿ってきた道程は、伊波普猷のテクストなしには知ることができません。

 本書では特に、「日琉同祖論」(「日本」と「琉球・沖縄」が同一のルーツを持つとする主張)という問題含みの言説を分析対象としています。

 伊波の「日琉同祖論」を、擁護/批判という二項対立的図式で理解するのではなく、その主張の背景にある歴史(文化・政治・経済など、あらゆる領域が複雑に交差する織物としての歴史)を踏まえながら、その思想的可能性および限界を、脱構築的読解によって浮かび上がらせることに注力しました。

 不完全な一冊ですが、本書が「沖縄」と出会う一つの契機となることを願っています。

 

 


著者・訳者紹介や目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:ThuNov1716:41:162022
登録者 :崎濱・野久保・田川・廣田
掲載期間:20221118 - 20221118
当日期間:20220901 - 20220901