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黒田 明伸 著 『貨幣システムの世界史』が文庫化(岩波現代文庫)されました

 

 本書は岩波世界歴史選書(全15冊)の第一冊として 2003 年に刊行され、その後 2014 年に増補新版が刊行されましたが、増補新版を底本として、この度岩波現代文庫として刊行されたものです。
 現代文庫への収録にあたって、新たに「あとがき」が付され、人口に膾炙した「悪貨が良貨を駆逐する」というような代替的な関係よりも、歴史上の貨幣現象はむしろ補完的関係にみちあふれていること、貨幣の多元性は交換の多様性に由来しているがゆえに自然なことなのであるのに、アリストテレス以来の分業が交換の必要条件であるとする論理設定が、市場と貨幣の重層性を理解することをさまたげてきたこと、2007 年モルドバ出土のキプチャク汗国の銀錠が、元朝の紙幣流通と西欧の銀貨鋳造ブームの共時性を指摘し、13 世紀を世界史の分水嶺とした本書の仮説を支持していること、などが述べられています。


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonFeb1705:44:142020
登録者 :黒田・野久保(撮影)・田川・藤岡
掲載期間:20200217 - 20200517
当日期間:20200217 - 20200217