香港城市大学出版社「坐看雲起」シリーズ(鄭培凱教授主編)の一つとして、『晩明風雅』が刊行されました。これはわたしが主として関心を抱いてきた中国明末(晩明)に関して、中国語で発表した文章のいくつかをまとめたものです。先に刊行した『明清戯曲俗曲雑考』(中国語 復旦大学出版社 2021年)は、明清時代の戯曲と俗曲に関するものでしたが、本書では、第一部において冒襄、呉兆騫など文人の文学、第二部には白話小説や歌謡など通俗文学、第三部では明末出版文化に関する文章を集めました。「風雅」という言葉は、本来『詩経』における民間の通俗的な「風」と宮廷のより高雅な「雅」にもとづきますが、本書の「風雅」も、文人の文学と通俗文学の両者を含む意味を込めています。これもまた、中国語で発表されることで、中国語圏の多くの読者から批判や指教を受ける機会になれば幸いです。
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