東京大学東洋文化研究所紀要別冊として、大木康『冒襄と『影梅庵憶語』の研究』が刊行されました(2010年2月)。 この本は、汲古書院から市販されています。
序 章 「風流遺民」冒襄 |
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如皐における活動の舞臺/『同人集』について |
第一部 文人としての冒襄 |
第一章 黄牡丹詩會 |
影園黄牡丹/虞山錢牧齋/黄牡丹詩集の編刊/その他 |
第二章 宣爐因縁 |
發端/寧古塔/宣爐歌/宣爐/結び |
第三章 順治十四年の南京秦淮 |
冒襄の順治十四年/龔鼎孳の順治十四年/錢謙益の順治十四年/余懷の順治十四年/結び |
第四章 冒襄の演劇活動 |
觀劇の記録/活動の場――得全堂/ |
冒襄が見た演目(阮大鋮の『燕子箋』・呉偉業の『秣陵春』・湯顯租諸作/その他)/冒襄の「家班」/結び |
付論一 呉兆騫の悲劇――丁酉江南科場案と寧古塔 |
才子呉兆騫/父母に寄せる手紙/呉偉業の同情と怒り/寧古塔にて/友人たちの助け |
付論二 荷風のおうむ |
第二部 『影梅庵憶語』と女性たち |
第一章 冒襄『影梅庵憶語』譯注 |
運命の出會い――「紀遇」/遊覧の記録――「紀遊」/性格のこと――「紀静敏」/ |
つつましきさま――「紀恭儉」/教養について――「紀詩史書畫」/趣味について――「紀茗香花月」/ |
飲食について――「紀飲食」/苦難の記録――「紀同難」/看病の記録――「紀侍藥」/死の豫兆――「紀讖」 |
第二章 『影梅庵憶語』について |
『影梅庵憶語』の内容と構成/『影梅庵憶語』の流通と評價/結び |
第三章 陳維崧「呉姫扣扣小傳」 |
心の樂屋/神に愛でられた人/扣扣の才華/死の豫兆/結び――春の一日 |
第四章 蔡夫人傅 |
正妻蘇氏/蔡含の誕生から輿入れまで/ |
蔡含の生涯における三つの大事件/蔡含と繪畫/ |
蔡含をめぐる文人たちの集い/結び |
第五章 冒襄、『影梅庵憶語』と『紅樓夢』 |
『紅樓夢』の順治帝・董小宛モデル説/ |
囘憶文學」の一線――『影梅庵憶語』と『紅樓夢』/ |
通俗的才子佳人物語批判/『紅樓夢』の秋海棠/ |
冒襄と秋海棠 |
付論一 清代女流詩人と柳如是 |
顧媚と柳如是/顧柳書畫合璧/呉瓊仙/柳如是の墓 |
付論二 中國明末の妓女と文學 |
あとがき |
『同人集』目録・所収詩文作者索引 |
索引(人名・書名) |
英文要旨・中文要旨 |
大木康 『冒襄と『影梅庵憶語』の研究』東京大学東洋文化研究所紀要別冊
汲古書院, 2010年
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