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東文研セミナーのご案内(11月4日)

eDic研究会

日時:2006年11月4日(土)午後3時から午後6時
場所:東洋文化研究所会議室(東京大学本郷構内 工学部8号館7階)
発表者:八尾 史
発表題目:律蔵と経典

発表要旨
仏教の聖典は経律論の三蔵に分類されるが、そのうちで従来は経、論が思想研究の対象とされ、律はおもに仏教の社会的、歴史的背景を知るための資料として研究されてきた。これは律が出家者の生活規定と僧団の運営規則をさだめる文献であってみれば、当然のことといえる。しかし一方で律には上のような規定を記した部分以外のさまざまな記述が含まれている。仏伝、説話、ジャータカといった大小の物語である。
それらとならんで、律には阿含経典の引用も存在する。特に『根本説一切有部律』は諸律の中でも経典引用が格段に多いことで知られていながら、その全貌はいまだあきらかでない。この律の調査により、失われた根本説一切有部の阿含経典の多くを(それも多くは全文引用のかたちで)手にすることができる。一方、「引用」の様相は一定でなく、それらの検討から部派仏教における聖典成立の過程、経蔵と律蔵の関係を知る手がかりも得られると思われる。


なおこのeDic研究会は永ノ尾の班研究会も兼ねております。

連絡先:東京大学東洋文化研究所
    永ノ尾信悟
    seino@ioc.u-tokyo.ac.jp

登録種別:研究会関連
登録日時:Wed Oct 25 09:09:29 2006
登録者 :研究協力係
掲載期間:20061025 - 20061104
当日期間:20061104 - 20061104