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東文研セミナー 第4回東文研ライブラリー・トーク
「植民地植物学からの脱皮:東文研下中文庫中の『朝鮮植物名集』(1949年)について」が開催されました

報告


   2026年10月6日(火)12時05分より、東文研セミナー 第4回東文研ライブラリー・トーク「植民地植物学からの脱皮:東文研下中文庫中の『朝鮮植物名集』(1949年)について」が、東京大学東洋文化研究所入口ロビーおよびZoomにて開催された。話者は、辻大和氏である。当日は、オンライン参加33名、対面参加17名の計50名が参加した。
   本トークでは、東洋文化研究所図書室の下中文庫に所蔵される、1949年刊行の『朝鮮植物名集』を手がかりに、朝鮮半島の植物研究の歴史と、植民地期から解放後にかけての植物の朝鮮語名の見直しについて紹介が行われた。冒頭では、同書の所蔵状況や下中文庫に収められた経緯に触れ、資料の来歴にはなお調査を要する点があることが示された。
   辻氏は、朝鮮半島の植物研究が、中国や日本を含む周辺地域との関係のなかで進められてきたことを説明した。リンネによる二名法の成立以降、シーボルトやロシア人研究者による植物の調査と命名が行われ、植民地期には日本人研究者による植物の調査と命名が進んだ。その一方で、1930年代には朝鮮人研究者が自ら植物の朝鮮語名を定める動きも現れた。解放後に編まれた『朝鮮植物名集』については、朝鮮語(韓国語)名を整理し、それまでの名称を見直そうとする試みとして、その意義が解説された。
   また、同書の編纂に関わった研究者たちの歩みにも言及があった。解放後の政治状況や朝鮮戦争は研究活動にも影響を及ぼしており、植物名を収録した一冊の資料から、研究者個人の歴史と朝鮮半島の政治的変動を読み取れることが示された。
   本トークは、『朝鮮植物名集』を通して、植物の名称が研究の歴史や政治の変化と深く関わっていることを考える機会となった。同時に、東洋文化研究所が所蔵する資料の来歴を調べ、研究に活用していくことの意義を確認する場となった。

開催情報

日時:2026年10月6日(火)12時05分~12時55分

場所:東京大学東洋文化研究所入口ロビーおよびZoom

題目:植民地植物学からの脱皮:東文研下中文庫中の『朝鮮植物名集』(1949年)について

話者:辻 大和(東京大学東洋文化研究所東アジア第一研究部門)

主催:東京大学東洋文化研究所図書室

 


 


登録種別:研究活動記録
登録日時:WedOct1410:32:502026
登録者 :森本・孟・神林
掲載期間:20261014 - 20270113
当日期間:20261006 - 20261006