日時:2021年12月11日(土)13:00~
会場:オンライン開催(オンライン会議システムZoomを使用)
発表者:
小長谷英代(早稲田大学社会科学総合学術院社会科学部)「〈アート〉における〈ヴァナキュラー〉の視点—グローバル化と「フォークライフ・フェスティヴァル」」
原聖(青山学院大学文学部客員教授)「フォークロアとフェスティヴァル-ケルト文化圏の事例から」
コメンテーター:俵木悟(成城大学文芸学部)
塚原伸治(茨城大学人文社会科学部)
コーディネーター:小長谷英代、菅豊(東京大学東洋文化研究所)
趣旨:
〈ヴァナキュラー〉の視点から〈アート〉を考える時、〈フェスティヴァル〉は注目したいテーマの一つである。〈フェスティヴァル〉は社会空間の多様な文脈の交錯に生成されるとともに、歴史の中で常に新たな形や意味に再生され、学術概念には容易に捉え難い対象である。とりわけ、20世紀以降の大衆化や商業化等の都市的要素の拡大においては、学術性や科学性を強調していた文化人類学的・民俗学的研究では、どちらかといえば敬遠されがちなテーマであったかもしれない。とはいえフェスティヴァルには大衆性や商業性に拘らず、社会や土地の歴史、信仰、価値観、アイデンティティ、あるいは対立や疎外等、日々の生活に関わる集団・個人の関係、経験、記憶等、文化/アートの理解には重要な文脈が内包される。〈ヴァナキュラー〉を考えるうえでも主要なテーマであり、より踏み込んだ研究が求められる。
殊に今、〈フェスティヴァル〉は、これまで以上に文化人類学的・民俗学的観点が活かされるべき場である。1980年代以降、グローバル経済の下で急速に広まる創造都市や創造産業等の趨勢では、「フォーク・フェスティヴァル」を含む、多種多様な「アーツ・フェスティヴァル」が世界各地に増加・拡散し、その存在感を強めている。学術研究では、今や〈フェスティヴァル〉は文化領域というより、経済、観光、都市開発等の領域が主導するテーマに置き換えられつつある。こうした現実に文化人類学的・民俗学的研究はどのように関わっていくのか。今回の研究会では、〈フェスティヴァル〉に焦点をあて、あらためて今日のアート/文化への両領域のアプローチおよび現代社会における位置や方向性を見直す。すなわち、〈フェスティヴァル〉を今日、アート/文化の歴史・社会的意味等に起きている大きな変動や問題が凝集される場とし、具体的な事例から、領域が今日置かれている学術研究や社会的関心・動向を捉えながら、「アート」における「ヴァナキュラー」を考える契機としたい。【文責: 小長谷英代】
■共催:「野の芸術」論研究会(科研「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」グループ(研究代表者:菅豊))、現代民俗学会
参加登録について
■東文研セミナー「〈フェスティヴァル〉から〈ヴァナキュラー〉な〈アート〉を考える」ご参加を希望される方は、下記のフォームからご登録ください。どなたでもご参加いただけます。
■登録後 、ZoomミーティングのID・パスコードを含む参加情報メールをお送りいたします。メールをなくさないようにご注意ください。
■参加情報メールに書かれている注意事項をよくご確認のうえでご参加ください。
■参加情報のメールを紛失された方は、改めて参加登録をお願いいたします。
参加登録フォーム:https://forms.gle/NhqXt43AdcxTk2xa8
研究会HP(現代民俗学会HP):http://gendaiminzoku.com/meeting.html#meeting58
担当:菅