2023年11月16日(木)14時より、キム・ジユン助教による2023年度 第3回 定例研究会(着任研究会)「1980年代韓国におけるグローバル移動性と世界想像の社会史」がZoomによるオンラインで開催された。これまで文化や人々の移動について研究してきたキム助教は、本報告では博論に基づいた研究内容を紹介した。1980年代韓国の移動政策を分析し、韓国社会のグローバル化の経験を理解するための新たな文脈を提示しながら、当時のグローバル移動性の中に絡んでいた世界・他者想像の安保化の問題、その背景としての冷戦地政学や権威主義統治性について語った。30名の参加者が集まり、講演後には議論を深める真鍋教授のコメントや参加者との質疑応答が行われた。
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日時: 2023年11月16日(木)14時〜16時
会場:オンライン(Zoomミーティング)
題目:1980年代韓国におけるグローバル移動性と世界想像の社会史
発表者:キム ジユン(東京大学東洋文化研究所・助教)
司会:園田茂人(東京大学東洋文化研究所・教授)
コメンテーター:真鍋祐子(東京大学東洋文化研究所・教授)
使用言語:日本語
要旨:本研究は、グローバル想像とグローバル・モビリティが激しく絡み合った主要な局面として1980年代韓国に焦点を当てることで現代韓国のグローバル化過程を歴史的観点から問い直すことを目的とする。1980年代の韓国は、パスポートやビザ政策の画期的改善を伴った「国民海外進出方案」(1981)、1980年代にわたる「海外旅行自由化」やソウル五輪等大規模のグローバル・イベントの開催、(旧)共産圏国家との修交開始など、韓国社会をめぐるグローバル・モビリティの条件が大きく変化した、いわば「国際化」の局面であった。本発表では、このような変遷の中で、どのようなグローバル移動性が構築していったか、また、これらダイナミクスはどのような世界・他者・自己構想を育んでいたかについて考察する。