日時: 2015年11月26日(木) 14 : 15 ~ 15: 20
会場: 東京大学 東洋文化研究所 3階 大会議室
題目: マテオ・リッチ以前の明代中国における世界知識―三つの古地図から
発表者: 葛兆光(東洋文化研究所・客員教授)
司会: 高見澤 磨 (東洋文化研究所・教授)
コメンテーター: 平勢 隆郎 (東洋文化研究所・教授)
使用言語: 中国語(適宜日本語通訳あり)
概要:
16世紀後半、中国に来たマテオ・リッチは世界地図を作成した。それ以前の明代中国はどの程度地理の知識を持っていたのだろうか。今回は異域を描いた三つの古地図を用いてこの問題を検討する。一つ目は日本京都龍谷大学所蔵1402年朝鮮写本「混一疆理歴代国都之図」、二つ目は近年中国が日本の藤井有鄰館から買い戻したもので、1524-1531年の間に作成された「蒙古山水地図」、三つ目はイギリスで収蔵されており、1608年頃に描かれたセルデンの中国地図(Selden Map、「東西洋航海図」とも)である。
更にこの三つの地図を用いて、明代中国においてこの地図に描かれた世界(特にアフリカ及び東南アジア)の知識をどのように得ていたのか、そして外部の世界地理に関して、これほどたくさんの現実的且つ豊富な知識を持っていたにもかかわらず、なぜ中国を中心とする「天下」という伝統的な概念を変えることができなかったのか、についても討論したい。
提要
在16世纪后期利玛窦来华并绘制出世界地图之前,明代中国有多少地理知识?这里用三幅涉及异域的古地图来讨论这个问题。第一幅是日本京都龙谷大学所藏1402年朝鲜重绘《混一疆理歷代國都之圖》,第二幅是近年中国从日本藤井友鄰館買回,1524-1531年间绘制的《蒙古山水地圖》,第三幅是收藏在英国的,约绘于1608年的塞尔登地图(Selden Map,又名《东西洋航海图》)。
在这三幅地图中我们还将讨论,明代中国這些有關世界(特别是非洲和东南亚)的知識是從哪裡來的?这么多外面的、實際的、豐富的世界地理知識,為甚麽不能改變传统中國自我中心的”天下”观念?
担当:葛