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Ines ZUPANOV 客員教授着任研究会「Religious Plurality? Portuguese Discovery of the Ancient Indian Christians in the 16th century」が開催されました
報告
2016年2月18日（木）の午後、イネス・ズパノフ教授（東洋文化研究所客員教授／フランス高等社会学研究所）による「Religious Plurality? Portuguese Discovery of Antique Indian Christians (the 16th century)」と題する着任研究会が開催された。
1498年、ポルトガル人のイエズス会宣教師たちが初めてインド南西部マラバール海岸に着いた時に、当地にはすでにインド人キリスト教徒たちが住んでいた。彼らは、使徒トマス自身によって改宗されたキリスト教徒だとし聖トマス・クリスチャンと自称する。これまでの１６世紀におけるインドと西洋の関係はスパイス貿易という文脈からのみ研究されており、このポルトガル人とインド人キリスト教徒との「遭遇」は、ほとんど顧みられることがなかった。ズパノフ教授は、この「遭遇」において両者がどのように影響しあい、交渉し、また対抗しあったのかを明らかにする、これまでの研究を紹介した。発表では、インドにおける古代キリスト教の存在を明らかにする様々な建物や遺物などが写真で紹介された。またポルトガル人宣教師とインド人キリスト教徒の間の適応はまた、両者の差異を維持する過程であったこと、またこの「遭遇」が新しい知識を生み出したことなどが詳しく説明された。
報告後、コメンテーターの新居洋子助教（東洋文化研究所国際学術交流室）から、インドの聖トマス・クリスチャンと他のインド人コミュニティーとの交流などに関する質問がなされた。これに対しズパノフ教授は、現在でも聖トマス・クリスチャンは高カーストと自認しており、非常に閉鎖的であることなどを説明された。研究報告には多くの参加者があったが、時間の制約があり、参加者からの質問は受けられなかったが、その後懇親会にてさらに日本や中国におけるイエズス会の活動との比較など、活発な議論が続けられた。
当日の様子
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開催情報
【日時 / Date】
2016年2月18日（木）17：30～18：30
5:30-6:30 pm on Thursday, 18th February 2016
【会場 / Venue】
東京大学東洋文化研究所 3階 大会議室
Conference room 303 (3rd floor), Institute for Advanced Studies on Asia, The University of Tokyo
【題名 / Title】
Religious Plurality? Portuguese Discovery of the Antique Indian Christian (16th c)
【発表者 / Speaker】
Ines ZUPANOV（東洋文化研究所・客員教授 / Visiting Professor, IASA)
【司会 / Chairperson】
高見澤 磨 （東洋文化研究所・所長）
Osamu TAKAMIZAWA (Director, IASA)
【コメンテーター / Commentator】
新居 洋子（東洋文化研究所・特任助教）
Yoko NII (Project Assistant Professor, IASA)
【使用言語 / Language】
英語 / English
【要旨/ Summary】
When the Portuguese arrived in Calicut and “discovered” India in 1498,they were purportedly in search of “Christians and spices”. On the MalabarCoast, on the south-west coast of India, they found both: the pepper and theChristians, the pepper merchants. However, while the history of the spicetrade between Asia and Europe received much attention by historians, thehistory of the Portuguese encounter with these antique (antigos) IndianChristians (supposedly converted by St. Thomas the Apostle himself) hasoften been marred or downright falsified by its complicated afterlife.My talk will focus on the first century of European interactions,negotiations and conflicts with the priests, bishops and community leadersof these Christians, commonly known as St. Thomas Christians.My intention is to show how the encounter between the Portuguese and the St.Thomas Christians engendered for both sides a significant and somewhattraumatic rupture in their respective religious and cultural beliefs androutines. I will specifically focus on Portuguese intentions in order tohighlight an important and often neglected outcome of this encounter: thepossibility of accepting religious plurality, at least within Christianity.
担当：ZUPANOV
登録種別：研究活動記録
登録日時：WedMar211:01:222016
登録者 ：ズパノフ、池亀、野久保（撮影）、藤岡
掲載期間：20160218 - 20160518
当日期間：20160218 - 20160218
