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東文研セミナー「東文研班研究:オスマン朝史料学の方法的課題(第2回研究会)」が開催されました

「東文研班研究:オスマン朝史料学の方法的課題(第2回研究会)」が下記の要領で開催されました。

報告

 2022年3月4日(金)、東京大学東洋文化研究所班研究「オスマン朝史料学の方法的課題」第2回研究会が、科研費基盤B「オスマン帝国における社会階層とジェンダーに関する国際共同研究」(代表:秋葉淳)との共催でオンライン開催された。今回は、東洋文化研究所特任研究員の佐治奈通子が、ボスニア・ヘルツェゴビナのカトリック修道院所蔵オスマン語文書群について、その概要と現在の史料整理状況について報告した。
 報告の前半では、文書群の全体像として、含まれている文書点数、種類、作成年代分布などが示された。後半では、最も所蔵点数の多い、ムカーター・エミニが発給した文書類型について、史料読解を交えつつ、その詳細が紹介された。これらの文書に記されている土地取引は、18-19世紀のボスニア地方で行われていた実質的な土地「売買」の一端を示すものであった。
 参加者からは、オスマン帝国の土地制度や土地法においてこのような実質的「売買」が認められていたのか、史料中に示された税の支払い義務と修道院のもつ免税特権との関係性などについて質問が寄せられた。また、同文書群に含まれている様々な種類の文書を組み合わせることによるさらなる史料理解の可能性についても提示された。
 当日は25名の参加者を得た。オスマン帝国史やオスマン語文書に精通する参加者により、歴史的背景や土地制度、史料学など多角的な見地から指摘を得られたことは、報告者の研究の進展にとって非常に重要な機会となった。(佐治)

当日の様子

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開催情報

日時:2022年3月4日(金) 10:00〜12:00

場所:Zoom開催

プログラム:
司会 秋葉淳
10:00〜10:55 佐治奈通子(東洋文化研究所)
「クレシェヴォ修道院所蔵オスマン語文書群について」
10:55〜11:00 質疑応答・討論

担当:秋葉



登録種別:研究活動記録
登録日時:WedMar1610:49:162022
登録者 :秋葉・田川
掲載期間:20220317 - 20220617
当日期間:20220304 - 20220304