報告者:胡 華喩 (東京大学東洋文化研究所・特任研究員)
日時:2026年7月30日 (木) 15:00–17:00(事前のお申し込みは不要です。)
場所:東京大学駒場キャンパス 101号館11号室 (EAAセミナー室)
言語:日本語・中国語
概要:
明初、洪武から洪熙に至る五十余年(1368–1425)は、大規模な国家編纂事業と、南京から北京への遷都とが相重なる変動の時代であった。なかでも『四書五経性理大全』については、編纂の場となった当時の北京が書物に乏しかったことが指摘されており、纂修官たちが諸地域に蓄積されてきた朱子学の成果をいかに選び取ったのか、なお検討の余地が残されている。
本報告では、関連文献の整理を進める過程で得られた現段階の見通しに立ち、まず江西泰和の儒者・余学夔(1372–1444)を取り上げる。余学夔は、南京では『永楽大典』の副総裁を務め、北京では『四書五経性理大全』の纂修に参与した。その文集『北軒集』にみえる家学、郷党との交遊、郷里と北京を結ぶ書物の往来を手がかりに、人の移動と書物の流通が交錯する場として、明初の国家編纂事業を捉え直すための一資料としたい。
移動する纂修官と、移動する書物。本報告は、「移動」の視座から、纂修官による知識の「取捨」にいかに作用したのかに着目し、明初における経典注釈の歴史を再考する端緒を探る。東アジア藝文書院(EAA)の「共生」の理念に学びつつ、異なる地域の学問資源が国家編纂の場でいかに認識され、再配置されたのかを検討するための見取り図を提示し、大方のご批正を仰ぎたい。
※お問い合わせ
胡 華喩(東京大学東洋文化研究所・特任研究員)
E-mail: huayu.ioc[at]ioc.u-tokyo.ac.jp
(送信時には[at]を@に置き換えてください)
EAA URL:https://www.eaa.c.u-tokyo.ac.jp/events/uia-34/