学術情報の電子化は近年めざましいものがあります。とりわけ中国を中心とする中国語環境において急速に発展していますが,その事情はあまり日本で紹介されていないようです。第1セッションではその現状の紹介を中心に報告していただきます。
アメリカを中心とする英語圏での学術雑誌の電子化の進展に伴い,さまざまな問題点が浮かび上がってきました。また,最近の Google 電子book の著作権に関するトラブルも耳新しいところです。現状認識と問題点の整理という形で,第2セッションを企画しました。
学術情報の電子化は,むろん学術に大きな益と便利をもたらしましたが,同時に副作用も露わになってきています。まずは,どういう副作用や問題があるのかを整理してみたいと思います。
日時:2010年2月20日(土) 午前10時-午後5時半
場所:東京大学 東洋文化研究所 3階 大会議室
主催:東文研資料情報研究プログラム「アジア書籍の電子図書館化とその多角的活用法の研究」
連絡先:東京大学 東洋文化研究所 尾崎文昭 E-mail: ozaki@ioc.u-tokyo.ac.jp
◆プログラム: 司会:尾崎文昭(東大東文研・教授)
第1セッション:中国語環境におけるデジタル学術資源(10:00-12:30)
報告1:甲骨文のデータベース:平勢隆郎(東大東文研・教授)
報告2:漢籍データベース,日本/北京/台北:大木康(東大東文研・教授)
報告3:中国古典籍コーパス構築上の問題点:英語・日本語コーパスとの比較から:笠井直美(名古屋大学大学院国際開発研究科・准教授)
報告4:「超星」からグーグルへ:中国デジタル図書館建設における著作権紛争:厳鋒(復旦大学文学部・副教授)
討論1:データベース化の問題点と利用の問題点
第2セッション:世界におけるデジタル学術資源(2:00-4:00)
報告5:アジア諸国における仏典デジタル資源:鈴木隆泰(山口県立大学・教授)
報告6:インドにおける文字情報資源:町田和彦(東京外国語大学AA言語文化研・教授)
報告7:シリアルズ・クライシス、電子ジャーナル、機関リポジトリ
:土屋俊(千葉大学文学部・教授)
報告8:グーグル・ブック・サーチの提起した問題:村瀬拓男(用賀法律事務所)
第3セッション:総合討論(4:15-5:30)
討論2:学術情報の電子化にともなう問題点: