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公開講演会「中国の直面する問題 / <世界史の構造>における中国」が開催されました。

以下の通り東洋文化研究所「世紀交替期中国における文化転形」研究班2011年第4回研究会が開催されました。

 

日時:2011年 12月17日(土)午後2~5時半

場所:東京大学  駒場キャンパス 「21KOMCEE レクチャーホール」

主催:中国社会文化学会(2011年12月例会として)

共催:東洋文化研究所「世紀交替期中国における文化転形」研究班
   科研費研究班「世紀交替期中国の文化転形に関する言説分析的研究」
   (基盤研究(B),代表:砂山幸雄  21320025)

講演者:汪暉(中国,清華大学人文社会科学院教授)

講演題:「中国の直面する問題――国家と民主の概念を再考する」

賛助講演者:柄谷行人(思想家,評論家)

講演題:「<世界史の構造>における中国」

 2011年12月17日(土)午後,中国社会文化学会2011年12月例会としての,東洋文化研究所「世紀交替期中国における文化転形」研究班および科研費研究班「世紀交替期中国の文化転形に関する言説分析的研究」(基盤研究(B),代表:砂山幸雄  21320025)の共催による公開講演会が,約300名の聴衆の参加を得て,時間を30分延長して,開催されました。
 講演者汪暉先生は,1911年から1979年までを中国の「短い20世紀」とし,その特徴を「長く連続した革命」であったととらえ,その世界史的意味を論じました。一般に流通する社会主義実験の失敗という理論枠組みでは中国の現状を説明しきれないと問題提起し,その分析には「長く連続した革命」により形成された政治的また経済的な「自主・独立」性を重視することが必要であると論じました。
 賛助講演者の柄谷先生は,近著『世界史の構造』の趣旨を説明したうえで,「略取と再分配」の交換性に基づいた「世界=帝国」と,「商品交換」の交換性に基づいた「世界=経済(帝国主義/資本主義)」とを分別したうえで,現在資本主義が行き詰まるなかで「帝国」が再度視野に入ってくるが,「帝国」の原理は実はアジアで形成されたのであり,ローマ帝国もペルシャの帝国の原理を模倣したとして連続的に見るべきである,その帝国の原理はむしろ中国の連続する帝国の歴史に歴然としている,現在世界は「帝国」の方向への再編成が進んでいるが,中国は元々の「帝国」の原理を失わずにいたところに他との違いがある,と論じました。

(以上,文責尾崎文昭)


当日の様子

会場A
会場A

会場B
会場B

講演者汪暉先生
講演者汪暉先生

賛助講演者柄谷先生
賛助講演者柄谷先生



登録種別:研究活動記録
登録日時:Wed Dec 28 17:33:00 2011
登録者 :尾崎・藤岡
掲載期間:20111217 - 20120317
当日期間:20111217 - 20111217