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国際ワークショップ「Katekisama Conference: Global “Global Studies”」が開催されました(GAS参加報告)

報告

2026年9月8日〜11日、Katekisama Conference “Global ‘Global Studies’”がスイスのバーゼル大学で開催された。本カンファレンスは、欧州、中南米、アフリカ、アジアの5つの大学・研究機関により近年立ち上げられた「Katekisamaプログラム」という国際共同研究・教育ネットワークによる、初めての対面全体会議であった。本ネットワークには、バーゼル大学(スイス、Institute for European Global Studies)、ボン大学(ドイツ、Faculty of Arts)、ガーナ大学(ガーナ、College of Humanities)、サンパウロ大学(ブラジル、The Law School of Ribeirão Preto and Institute for International Relations)、そして東京大学東洋文化研究所(日本)が参加している。

「Katekisama(カテキサマ)」とは、1600年に日本へ漂着したオランダ船「リーフデ号」の船尾飾りに由来する16世紀のエラスムス木像である。「カテキサマ」は、仏閣にて多様な解釈を経ながら伝世した経緯を持ち、知の変容やグローバルな繋がりを象徴する存在として、グローバルな知を「共有財」と捉える人文学・社会科学の新たな視座として位置付けられている。「カテキサマ」の軌跡の追究を通じて国際学術協力を推進し、あらゆる境界を越えた人道主義的普遍性の構築を目指してバーゼル大学およびボン大学が立ち上げたのが「Katekisamaプログラム」である。東洋文化研究所は2024年よりGASイニシアチブを通じて本知的実践に参加している(詳細は下記を参照:Katekisamaプログラム)。

本カンファレンスでは、グローバルな規模と重要性を持つ諸問題について、それ自体が「グローバル」と呼ぶにふさわしいアプローチでどのように研究し得るかを問い直すことが求められた。とりわけ、あらゆる研究において回避不能である特定の「ポジショナリティ」と、意義ある「グローバル性」を主張・達成するためにそうしたポジショナリティを乗り越える必要性との間にある、不可欠な媒介関係に重点が置かれた。本カンファレンスの意義は二重のレベルに存在する。第一に、グローバルな知識生産における「権力と知識の結合関係(power-knowledge nexus)」という観点から、「グローバル・スタディーズ」をよりグローバルな実践へと進展させ、理論的に精緻化させるレベル。第二に、依然として国家などの限定された領域や固定化された「グローバル」概念に依拠しがちな、個別の対象領域(subject-areas)を再考するレベルである。

4日間にわたり、研究者20名および大学院生20名が登壇し、「Global ‘Global Studies’」、基調講演「Studying Africa, Making the World Thinkable」、「Global China」、「Uses of History and Global History」、「Migration, Regional and Global」、「Platform Technologies, Law and Global Orders」、大学院生による「Open-topic panels for PhD projects」等のパネルにおいて発表と議論を行い、活発な研究交流を深めた。

GASイニシアチブ活動の一環として実施された本カンファレンスには、パッタジット・タンシンマンコン准教授、キム・ジユン助教、東京大学大学院人文社会系研究科の余静嘉氏、程雪茹氏、新本果氏の計5名が参加し、地域・領域・時間を超えた豊かな知的探求の契機を得た。開会式の協定機関挨拶では、本研究所の代表として園田茂人教授がオンラインで登壇した。

 

当日の様子

 



登録種別:研究活動記録
登録日時:TueSep2909:44:072026
登録者 :GAS事務局・神林
掲載期間:20260930 - 20261229
当日期間:20260908 - 20260911