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東文研セミナー「東文研班研究:アルジェリアの社会経済」2024年度第一回研究会が下記の要領で開催されました

報告

最初に、渡邊祥子(東京大学)がアルジェリアとの国際研究協力の進捗について情報を共有し、今後の作業の進め方について共同研究者と協議した。
その後、研究報告二件とディスカッションが行われた。第一の報告では、渡邊が植民地期のアルジェリアにおけるムスリム女子教育について、公教育部門と民間部門に分けてその歴史的展開を示した。特に女子教育が進展した時期と考えられている両大戦間期と第二次世界大戦後の時期について、二つの教育部門の間の連環を考慮することの重要性や、男性に比べて女性の教育が置かれた状況の特殊性について考察を行った。
第二の報告として、マルコ・ソッティーレ(慶應義塾大学)が1940年代のアルジェリアの雑誌『As-Salam』と後続の『Salam Ifrikya』を取り上げ、その政治的位置づけやネットワーク、女性の社会的地位に関する記事の傾向を分析した。

参加者は会場6名、オンライン5名で、女子教育に関するデータの詳細や、扱われた史料の性格、「女性の解放」の歴史的文脈的に惹きつけた意味等について活発な議論が行われた。

なお、この研究会は科研費基盤研究(C)(一般)2 4 K 0 4 2 8 2「イスラーム教育の社会的機能に関する国際共同研究:後期植民地期アルジェリアの事例」の助成を受けた。

当日の様子

 

開催情報

日時:2024年10月26日(土)14:30~18:00(一般公開部分は15:00~18:00)

場所:東京大学 東洋文化研究所 第二会議室(3階 302)

形式:会場とZoomによるハイブリッド

言語:日本語

プログラム:

14:30~15:00:班研究共同研究者による打ち合わせ

15:00~16:25:渡邊祥子(東京大学)による口頭報告「植民地期アルジェリアにおける識字教育と女性たち:調査報告」、質疑

16:35~18:00:マルコ・ソッティーレ(慶應義塾大学)による口頭報告「研究ノート:『As-Salam』と『Salam Ifrikya』の位置づけに着目—ムスリム女性解放と教育に関する言説分析に向けて」、質疑

 

担当:渡邊祥子(shoko_watanabe@ioc.u-tokyo.ac.jp)



登録種別:研究活動記録
登録日時:TueOct2910:24:182024
登録者 :渡邊・多田
掲載期間:20241030 - 20250129
当日期間:20241026 - 20241026