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2023年度 第2回 定例研究会「タイの外交史を読み直す―「竹の外交論」からの脱却―」
パッタジット・タンシンマンコン講師(着任研究会)が開催されました

報告

 2023年10月19日(木)14時より、パッタジット・タンシンマンコン講師による2023年度第2回定例研究会(着任研究会)「タイの外交史を読み直す―「竹の外交論」からの脱却―」がZoomによるオンラインで開催され、40名の参加者が集った。  パッタジット講師は、自己紹介にかねて、この研究課題に辿り着いた過程、本研究のパズル、分析枠組み、そして研究成果を紹介した。従来、タイの外交手腕は巧みな「竹の外交論」(Bamboo Diplomacy)という言説で説明されてきたが、パッタジット講師の本研究は「竹の外交論」を批判的に検討したうえで、その言説から脱却しようとした。そして、1960年代から現在までの複雑な国際情勢と国内政治におけるタイの指導者、メディア、知識人、一般市民の対外認識と外交政策との重層的な関係性に着目することを試みた。タイの対外政策を決定する最も重要な要素は何かを問い直しながら、タイ外交史を書き換えることが本研究の目的である。
 講演後にはコメンテーター、司会と参加者との間で活発な議論が交わされた。

当日の様子

2023年10月19日パッタジット先生着任研究会パッタジット先生着任研究会

開催情報

日時:2023年10月19日(木)14時~16時

会場:オンライン(Zoomミーティング)

題目:タイの外交史を読み直す―「竹の外交論」からの脱却―

発表者: パッタジット・タンシンマンコン(東京大学東洋文化研究所・講師)

司会:佐藤仁(東京大学東洋文化研究所・教授)

使用言語:日本語

要旨:
従来、タイの外交手腕は巧みな「竹の外交論」(Bamboo Diplomacy)という言説で説明されてきた。聡明な歴代の指導者が時により主体性を放棄し、中、英、仏、米、日などの大国の風向きに巧みになった結果、タイが東南アジアで近代を通じて唯一独立を維持できたという論理である。この説明は外交の場や学界において暗黙の常識となっており、批判的に検討されることは少なかった。しかし「竹の外交論」は神話に過ぎない。本研究は「竹の外交論」を批判的に検討したうえで、その言説から脱却し、1960年代から現在までの複雑な国際情勢と国内政治におけるタイの指導者、メディア、知識人、一般市民の対外認識と外交政策との重層的な関係性に着目する。タイの対外政策を決定する最も重要な要素は何かを問い直しながら、タイ外交史を書き換えることが本研究の目的である。

担当:パッタジット・タンシンマンコン



登録種別:研究活動記録
登録日時:TueOct2414:57:082023
登録者 :パッタジット・キム・多田
掲載期間:20231025 - 20231225
当日期間:20231019 - 20231019