2022年11月17日(木)14時より、崎濱紗奈特任助教による2022年度第3回定例研究会(着任研究会)「沖縄近現代思想史を考える——誰が「主体」を必要とするのか?」がZoomによるオンラインで開催され、54名の参加者が集った。
沖縄近現代思想史を専門とする崎濱助教は、「沖縄近現代思想史」を沖縄固有の思想史として本質的に定義するのではなく、次のように思考することを提唱した。すなわち、近代国民国家の編成や、資本主義のグローバルな浸透といった普遍的な問題系が、「沖縄」と 呼ばれる具体的な場所においてどのように経験されたのかについて分析する、という立場である。このような立場を示した上で、崎濱助教は、沖縄近現代思想史における「主体」というテーマを紹介し、ポストコロニアル理論において積み重ねられてきた「主体」論との接続を試みた。
講演後には参加者との間で活発な議論が交わされた。
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日時: 2022年11月17日(木)14時~16時
会場:オンライン(Zoomミーティング)
題目:誰が「主体」を必要とするのか?:沖縄近現代思想史を考える
発表者:崎濱紗奈 (東京大学東洋文化研究所・特任助教)
司会・コメンテーター:田中有紀(東京大学東洋文化研究所・准教授)
使用言語:日本語
要旨:
1879年のいわゆる「琉球処分」によって琉球王国(のちに琉球藩)が廃され沖縄縣が誕生して以来、「沖縄」と呼ばれる地域においては、さまざまな方法で「主体」を構築する試みが行われてきた。「沖縄」という「主体」を立ち上げる際に参照されてきた「他者」は、「日本」「アメリカ」「アジア」など、その時代状況に応じて変化してきた。
本発表では、幾人かの思想家のテクストを参照しながら、沖縄においてどのように「主体」が構想されてきたのかについて、思想史的アプローチから考察を行う。
担当:崎濱