2015年5月25日 (月)、フランス社会科学高等研究院のAlessandro Stanziani教授を迎えて、今年度第1回のGHC(Global History Collaborative)セミナーが東文研セミナーとして開催された。
Stanziani教授は、GHC国際ネットワークの一翼を担うフランス社会科学高等研究院拠点の責任者である。 「フランスにおけるグローバルヒストリー」と題する講演で、Stanziani教授は、フランス歴史学界に特有なグローバルヒストリーの潮流として、比較史の忌避と接続された歴史の重視が見られることを指摘した。 そして、このような特徴がなぜ見られるのかを、20世紀前半のデュルケムやブロックにまでさかのぼる史学史的なアプローチを用いて説得的に説明した。 また、グ ローバルヒストリー研究にしばしばみられる陥穽を紹介し、今後の研究が目指すべき方向として7点を提案した。
情報量の多い、非常に有益な 講演の後、満員の会場からは多くのコメントや質問が出た。フランスにおける研究体制と歴史研究や教育の関係、グローバルヒストリーの最終 目標、グローバルヒストリーを描く歴史家の立場性、グローバルヒストリーにおける地域の捉え方などなど。様々な角度からきわめて充実した 議論が展開された。
Stanziani教 授は今秋にも再度来日の予定であり、継続的な対話によって、新しい世界史/グローバルヒストリーの方法や意義について日仏間の理解を深め、共同研究の展開につなげてゆきたいと考えている。
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日時: 2015年5月25日(月)午後4時~6時
場所: 東京大学東洋文化研究所3階 第1会議室
講師と演題: Alessandro Stanziani (Directeur d'etudes, EHESS), Global history, connected history, comparative history. Scales and time.
司会: 羽田 正(東京大学東洋文化研究所)
担当:羽田