東京大学東洋文化研究所では、目下訪問研究員として在籍されている矢崎早枝子氏を講師に迎え、現在取り組んでおられるスーフィズムと禅における食の位置づけをめぐる比較研究についてお話しいただきます。神秘主義研究という主題と食という問題系の双方にまたがる多様な関心に開かれた会になるかと思われます。皆さまのご参加をお待ちしています。
論題:
スーフィズムと禅における食の意義―ガザーリーと道元を例に―
講演者:
矢崎早枝子(グラスゴー大学神学・宗教学科上級講師)
日時:
2026年7月10日(金)、17時30分~19時00分
場所:
東京大学東洋文化研究所3階304号室(第一会議室)およびZoom
言語:
日本語(スライドは英語)
要旨:
食物の摂取は動物的本能に属するものであるが、食文化は家族や社会的背景、伝統、宗教的教義などによって形作られている。また食は身体だけではなく精神的な分野にも直接関わっており、しばしば文化的・社会的ルーツ、主義・信条・価値観の指標にもなる。この食べるという行為の重要性に鑑み、本レクチャーではスーフィズムと禅における食の意義について考察する。
スーフィズムと禅は双方とも理論的な理解のみでなく直接的体験を重視し、食は身体・精神に不可欠なものとみなされている。例えばイスラームの学者でありスーフィのガザーリー(1058-1111)は主著の中で食の外面・内面的側面を論じ、日本曹洞宗開祖の道元(1200-1253)は僧院生活の規範における料理と食事について体系化している。ガザーリーと道元は現在に至るまで影響力の大きい思想家であり、本研究では食の重要さ、食事作法並びに準備・料理の仕方について焦点を当て、食べるという基本的な人間の営みがスーフィズムと禅の教義において持つ含意を分析する。
講師について:
大学卒業後エディンバラ大学イスラーム・中東研究科で修士・博士号取得。その後ケンブリッジ大学のイスラーム研究所に勤務。スーフィズム、比較宗教学などの研究に取り組み、スーフィズム関連、スーフィズムと禅の比較、ユダヤとイスラームの関係等について出版。フードコンシャスネスインストラクターとして日英の食育にも携わる。https://www.gla.ac.uk/schools/critical/staff/saekoyazaki/
参加方法:
対面参加は登録不要です。オンライン参加希望の方は7月8日までに以下のフォームからご登録下さい。9日中にZoomのリンクをお送りします。なお、研究所入り口は18時00分以後、外からは開きません。対面参加の方はそれ以前に入館できるようお越し下さい。
https://forms.gle/iAkKX5YcDQBsMMPt6
連絡先・当日司会者:
森本一夫(morikazu@ioc.u-tokyo.ac.jp)