下記の要領にて東文研セミナーを開催します。
題目:清末の立憲思潮における「国民程度」について-梁啓超の言論を巡って
講演者: 賴 駿楠(上海交通大学・凱原法学院・講師。東京大学・東洋文化研究所・訪問研究員)
日時: 2017年6月19日(月)15:00~16:30
会場: 東京大学 東洋文化研究所 3階 第二会議室
企画趣旨:
「国民程度」の問題とは、即ち中国国民が立憲国家の国民として備えるべき知恵、道徳、法律と政治に関する知識などを持つかどうかの問題で、清末において梁啓超の政治思考の核となる概念の一つである。「国民程度」の問題を巡って、梁の主張には、中国国内の変法時期から、日本流亡の前、中、後期まで、変遷を見ることができる。梁は清末の立憲運動に参加し、各憲政制度を了解しながら、1907年から、「国民程度」問題について、より現代的、複雑で弁証的な認識を持つようになった。特に梁は各憲法制度が「国民程度」問題に対し、ある程度消除できたり或いは回避できたりするという認識を持つようになった。この問題を巡る思考歴程は、儒家伝統中の高度なエリート主義の思考傾向及びこの伝統のもとでの一元論的、唯智論的思考方式が政治現代性に遭う時に示した複雑な運命を示している。
主催:東京大学・東洋文化研究所・班研究「中国法研究における固有法史研究、近代法史研究及び現代法研究の総合の試み」(主任 高見澤磨・東京大学・東洋文化研究所・教授)
附記:参加申し込み不要。その他の問い合わせは、高見澤 takamizaあっとioc.u-tokyo.ac.jp にお願いします)。なお報告・討論は中国語で行います。通訳はつきません。
题目:清末立宪思潮中的“国民程度”问题:以梁启超言论为考察对象
报告人: 賴 駿楠(上海交通大学・凱原法学院・講師。東京大学・東洋文化研究所・訪問研究員)
时间: 2017年6月19日(月)15:00~16:30
场所: 東京大学・東洋文化研究所・3楼第二会議室
提纲:
“国民程度”问题,亦即中国国民是否具备立宪国家国民所应具备的智识、道德和法政知识上的能力这一问题,是晚清时期梁启超政治思考中的核心问题之一。对“国民程度”问题的思考,在其参与国内变法时期、及其流亡日本之前、中、后期,呈现为不同的形态。伴随着对清末立宪运动的积极参与,以及对各种宪政制度的不断熟悉,梁自1907年起,对“国民程度”问题,拥有了一种更为现代、复杂和辩证的认识,尤其是对各种宪法制度本身对“国民程度”问题能够在一定程度上予以消解或规避的认识。梁启超对该问题的思索历程,体现出儒家传统中高度精英主义的思想倾向,以及该传统之一元论和唯智论的思维方式,在遭遇政治现代性时,所呈现出的复杂命运。
语言:中文
担当:高見澤