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教員の新著が出版されました。
大澤真幸 編, 中島隆博ほか著 『宗教とこころの新時代』

共著者からの紹介

  大澤真幸さんの編集になるこの本は、第Ⅰ部「世界の伝統宗教が映し出す「現代」」と、第Ⅱ部「「こころ」の変化は何を問いかけるか」からなる。ポスト世俗化とも呼ばれる現代において、宗教は再び焦点化された問いの場となっている。そして、その宗教が根ざしていた「こころ」もまた大きな変容を遂げている。こうした課題を、10名の論者によって探求したものである。中島隆博はその中で、「中華の復興――中国的な普遍をめぐるディスコース」を担当した。編者はこの内容を踏まえた上で、「日本人は、西洋の普遍性を受容することに主に注力し、普遍概念の構築には消極的だったと言わざるをえない」と論じる。とはいえ、末木文美士論文「仏教のアクチュアリティ――伝統思想をどう捉え直すか」が示すように、戦後の小伝統と近代の中伝統を超えた日本の大伝統に見いだされる、菩薩の倫理のようなものは、アクチュアリティとともに普遍性を有しているとも考えられる。この本が全体として、近代と普遍を考え直す一助となればと思う。


目次等その他の詳細情報は「刊行物・教員の著作コーナー」に掲載された記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:Tue Jul 5 11:07:30 2016
登録者 :中島・松本・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20160704 - 20161004
当日期間:20160704 - 20160704