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「2025年度・4研究所合同シンポジウム」が開催されました

報告

 2025年6月27日、京都大学人文科学研究所において「2025年度・4研究所合同シンポジウム」が開催された。従来、隔年で1月に行われてきたが、入試業務との重複など主に日本側での不便が多く、4研究所の世話人で協議した結果、今後は6月に開催することとなった。
 今回の共通テーマは「アジアの社会と動物――利用・共存・表象」で、シンポジウムは以下のプログラムに沿って進行された。

プログラム:

司会 古勝隆⼀(京都⼤学・⼈⽂科学研究所・教授)
10:30〜10:50
開会式
・開会挨拶 森本淳⽣(京都⼤学・⼈⽂科学研究所・所⻑)
・開会挨拶 中島隆博(東京⼤学・東洋⽂化研究所・所⻑)
10:50〜11:10
発表1
【発表1】藤原⾠史(京都⼤学)「家畜からトラクターへ――農村において機械化とは何だったの か」
11:20〜11:40
発表2
【発表2】朴昭賢(成均館⼤学校)「法廷に⽴つネズミ――朝鮮後期の寓話⼩説に登場するネズミ の⽂化的象徴性に関する考察」
11:40〜12:00
発表3
【発表3】向井佑介(京都⼤学)「⾞⾺から騎⾺へ――考古学からみた古代中国の社会変化と技術 ⾰新」
<昼⾷>
司会:直野章⼦(京都⼤学・⼈⽂科学研究所・教授)
13:00〜13:20
発表4
【発表4】⾟佳永(延世⼤学校)「 神聖と実⽤――韓国古代の動物たち」
13:20〜13:40
発表5
【発表5】⾼蓮姬(成均館⼤学校)「主⼈公になった雌キジ――朝鮮後期のキジの⽣態と⽂芸の関 係」
13:40〜14:00
発表6
【発表6】辻⼤和(東京⼤学)「朝鮮時代におけるシカ類の利活⽤について」
<休憩>
14:10〜14:30
発表7
【発表7】菅豊(東京⼤学)「動物をめぐる伝統と現在――普遍的価値と⽂化多様性の相克」
14:30〜14:50
発表8
【発表8】河信愛(延世⼤学校)「世界内戦としての韓国戦争と惑星的危機の⾮⼈間的再現――動物戦闘員の表象を中⼼に」
<休憩>
司会:髙井たかね(京都⼤学・⼈⽂科学研究所・助教)
15:10〜15:20 【発表1】へのコメント 孫成俊(成均館⼤学校)
15:20〜15:30 【発表2】へのコメント 真鍋祐⼦(東京⼤学)
15:30〜15:40 【発表3】へのコメント 李ハンキョル(延世⼤学校)
14:40〜15:50 【発表4】へのコメント 中⻄⻯也(京都⼤学)
15:50〜16:00 【発表5】へのコメント ⽥中有紀(東京⼤学)
16:00〜16:10 【発表6】へのコメント ⾼銀美(成均館⼤学校)
16:10〜16:20 【発表7】へのコメント ⾦賢珠(延世⼤学校)
16:20〜16:30 【発表8】へのコメント 酒井朋⼦(京都⼤学)
16:30〜17:10  全体討論
17:10〜17:30 閉会式
・閉会の辞 ⾦賢珠(延世⼤学校・国学研究院・院⻑)
・閉会の辞 ⾦慶浩(成均館⼤学校・東アジア学術院・院⻑)


  東洋文化研究所からは、辻大和准教授が「朝鮮時代におけるシカ類の利活⽤について」と題し、貿易史の視点から豊富な史料を駆使しつつ、朝鮮時代の動物生薬の資源化過程を読み解いた。続いて菅豊教授が「動物をめぐる伝統と現在―普遍的価値と⽂化多様性の相克」と題した報告で、文化財制度に関連した動物利用のアクチュアルな問題点、すなわち動物利用文化の伝統的価値と現代的価値との齟齬について指摘し、全体討論における活発な議論の呼び水となった。
 シンポジウムでは扱われる時代も研究領域も幅広く、またそこに現れる動物表象も、物語のキャラクター、供儀、生薬資源、家畜、文化財と多様であり、全体討論では刺激的な議論が交わされたが、残念ながら時間的制約により不十分なままでの閉会となった。
 今回は京都大学人文科学研究所のご尽力により、同時通訳者を入れての開催となった。そのためクローズドの催しとなったのはやや残念だったが、スケジュール通りに進行され、時間超過等による混乱が回避されたことに感謝したい。

当日の様子



登録種別:研究活動記録
登録日時:TueJul2213:50:482025
登録者 :真鍋・多田
掲載期間:20250723 - 20251023
当日期間:20250627 - 20250627