ハラール認証制度と、認証に限らないハラールをより深く理解するために
世界のハラール食品の市場規模は1.3兆米ドル規模に達しており、食品以外の分野の市場規模はそれ以上であるとされているが、日本はムスリム・マイノリティの地域であるために、日本においてハラール認証制度が普及し始めたのはごく近年のことである。加えて、ハラール・フードに関する国際ガイドラインが求められ、またガイドラインのいくつかが国際市場において用いられるようになったの もここ10年ほどのことである。
イスラームにおいて食は信仰行為の一つであり、ムスリムにとって食事規定を守ることは 神に従うことを意味する。そうした信仰行為としての「認証に限らないハラールの世界」と、何がハラール・フードであるかを規定する制度である「ハラール認証制度」との間には多くの隔たりが存在するが、ムスリムでない人々の間では予備知識が十分ではないために往々に して混乱が見られ、認証されたハラールが唯一の真実のハラールであると誤解されてしまうこともしばしばである。
本シンポジウムは、国内外から有識者/研究者を招聘し、基調講演およびパネルディスカッションを通して、ハラール・フード・システム、ハラール認証制度およびハラールの世界をより深く理解することを目的として開催する。あわせて、ハラール産業への新規参入を目指し、正しい知識を必要としている人々にとっても有益な知見を得る機会を提供する。
日時:2018年7月14日(土)13:00~17:00
会場:東京大学農学部弥生講堂アネックスセイホクギャラリー
使用言語:英語(通訳はつきません)
※参加無料・事前登録不要
司会:荒木徹也(東京大学 農学国際専攻・准教授) | ||
13:00~15:00 | 第一部 基調講演 | |
13:00~13:40 | 「思考の糧:ハラール食品システム ―科学と宗教― 混乱、論争、知識の隔たり」 ハミド アフマド(パキスタン科学技術庁科学 ・産業研究協議会 食品・生物工学研究センター 畜肉・家畜製品研究室 前室長/前主席技官) | |
13:40~14:20 | 「「基準化」に帰着点はあるのか―ハラール認証制度の過去、現在、未来を考える」 後藤 絵美(東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク・准教授) | |
14:20~15:00 | 「ハラールをより深く理解するために―宇都宮大学ハラール研究会での活動経験から」 友松 篤信(F&T JAPAN 代表、宇都宮大学名誉教授) | |
15:00~15:30 | コーヒーブレイク | |
15:30~17:00 | 第二部 パネルディスカッション 「ハラール認証制度と、認証に限らないハラールをより深く理解するために」 モデレータ:荒木徹也 パネリスト:Hamid Ahmad、友松篤信、後藤絵美 |
主催:東京大学 農学国際専攻および日本・アジアに関する教育研究ネットワーク(ASNET)
後援:一般社団法人 ハラル・ジャパン協会