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東文研セミナー「第7回コプト・イスラーム物質文化公開研究会 」のご案内

日時:2016年2月20日(土) 午後2時〜5時

場所:国士舘大学世田谷キャンパスメープル・センチュリー・ホール5階第1会議室(参加無料)
地図1:https://www.kokushikan.ac.jp/access/setagaya/,
地図2(マップの1番):https://www.kokushikan.ac.jp/information/campus/setagaya.html
小田急線「世田谷」駅より徒歩, 東急世田谷線「松陰神社前」駅徒歩6分

(梅ヶ丘の学舎と世田谷学舎は隣接していますが、当日は試験なので、世田谷の方の門からしかキャンパスに入れません。従って、世田谷線の松陰神社前駅か世田谷駅で降りるのが便利です。

発表題目:
「コプト博物館に見るコプト・キリスト教徒の宗教文化とナショナル・アイデンティティ」
三代川寛子(人間文化研究機構地域研究推進センター・研究員)

「エジプト・地中海沿岸のヘレニズム村落調査―コプト・イスラーム研究との接点―」
長谷川奏(早稲田大学総合研究機構客員教授)


発表要旨:

「コプト博物館に見るコプト・キリスト教徒の宗教文化とナショナル・アイデンティティ」
三代川寛子(人間文化研究機構地域研究推進センター・研究員)

 本発表では、1910年のコプト博物館設立および、1931年のコプト博物館国立化の背景をたどることにより、20世紀初頭のコプト・キリスト教徒の俗人エリートたちが自らの宗教文化をエジプトという国民国家との関係においてどのように捉えていたのかを明らかにしていきたい。
 20世紀初頭のコプトに関する先行研究では、世俗主義に基づくコプトの国民統合が注目されてきた。コプトの集団的アイデンティティの中核を担うのは宗教であるのにもかかわらず、そこでは「エジプト国民」たるコプトは、宗教的に中立的な存在として扱われたのである。
 本発表では、コプト博物館の事例を通して、コプトの間で自らがキリスト教徒であることとエジプト人であることがどのように関連付けられてきたのかという点を明らかにしていきたい。

「エジプト・地中海沿岸のヘレニズム村落調査―コプト・イスラーム研究との接点―」
長谷川奏(早稲田大学総合研究機構客員教授)

 本発表の対象は、アレクサンドリアの後背地域にあるヘレニズム村落(コーム・アル=ディバーゥ遺跡)である。この地域は伝統的な低地であり、生産性の低さから、従来の古典考古学研究からは見過ごされてきたが、実際には多くの遺跡が残されている。発表者を中心とする研究班は当該地の歴史環境の復元考察を重ね、対象遺跡の地表面探査からは、対象遺跡の具体的イメージも得られるようになった。これから始まる発掘調査によって、ビザンツ時代にまでにわたる豊かな経済活動が復元されるのは確実と思われる。本発表では調査の全体像を話させて頂いた後で、コプト・イスラーム研究からの視点を加えて結びとしたい。


共催: 国士舘大学イラク古代文化研究所
早稲田大学イスラーム地域研究機構
NIHUプログラム・イスラーム地域研究早稲田大学拠点
東京大学東洋文化研究所班研究「イスラーム美術の諸相」

問い合わせ先:masuya(at)ioc.u-tokyo.ac.jp

担当:桝屋



登録種別:研究会関連
登録日時:TueFeb910:22:452016
登録者 :桝屋・藤岡
掲載期間:20160209 - 20160220
当日期間:20160220 - 20160220