2014年12月4日(木)の午後、東文研セミナー「Xavier PAULES先生(フランス社会科学高等研究院)をお迎えして」が開催され、ザビエル・ポール(Xavier Paules)准教授によりThe gambling game of fantan(番攤) and the Cantonese diaspora, 1850-1950と題する研究報告が行われた。
「番攤」は清朝末期から中華民国期にかけて、広東出身移民の移動とともに珠江デルタから中国全土、アメリカ、東南アジア、アメリカへと伝わり、世界各地で行われるようになった賭博ゲームである。ポール氏は「番攤」のルール、賭博場となる「攤館」の特徴を説明した。その上で、賭博は社会的絆を壊す行為とみなされることが多いが、広東出身の移民たちにとって「番攤」は、自らのアイデンティティを維持する方法であったと同時に、移住先で形成した広東人コミュニティーにおける求心力と社会福祉の向上にも貢献しており、19世紀半ば〜20世紀半ばにおいて国力の弱い中国が発したソフトパワーの一種と見なすことができる、とポール氏は主張する。
報告後、東洋文化研究所・大木康教授が「番攤」のルールと中国文学における賭博ゲームの描写についてコメントし、会場にいた十数名の参加者によって「番攤」の進化と現在の状況、「攤館」と「煙館」の関連性などに関する活発な議論が行われた。
【日時】:2014年12月4日(木) 14:00-16:00
【会場】:東京大学 東洋文化研究所 3階 第1会議室
【講師】:Xavier PAULES (フランス社会科学高等研究院、准教授)
【題目】:The gambling game of fantan and the Cantonese diaspora, 1850-1950
【司会】:高見澤 磨(東洋文化研究所 所長)
【コメンテーター】:大木 康 教授
【使用言語】: 英語
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