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東文研セミナー "Abhidharma Works of the Yogācāras and Their Practical Uses" のご案内

  インドにおいて大乗仏教がどのように成立したのかという問題をめぐって、近年とくに注目されているテーマが、大乗仏教の主要な教理のひとつとされる唯識(瑜伽行派)と、大乗仏教以前の伝統的な部派仏教(アビダルマ仏教)との間の、文献上の関係性です。このテーマについて、唯識研究で近年大きな成果を挙げている、ハンブルク大学のマルティン・デルハイ(Martin Delhey)博士をお招きして、東文研セミナーを開催いたします。

  デルハイ博士は、初期唯識の重要文献である『瑜伽師地論 (Yogācārabhūmi)』を、教理的な側面における一種の「大全」的著作と見なす一方で、実践的な側面についても豊富な内容を有する作品と捉えます。その際、博士が問題視するのは、『瑜伽師地論』においては教理的側面と実践的側面とが内容的にうまく連動しているのか、それとも互いに食い違う部分が見られるのか、という点です。実際のところ、『瑜伽師地論』の教理的側面に関しては、これまで部派仏教文献の影響が議論されてきました。その意味において、デルハイ博士の問題意識は、大乗仏教と部派仏教との関係性の問題にもつながる、重要なものであると言うことができます。

  当日は、講演会終了後にディスカッションの時間を設ける予定です。多くの方々のご参加をお待ちしております。


講師:Dr. Martin Delhey (Research Associate, Centre for the Study of Manuscript Cultures, University of Hamburg)

講演題目: Abhidharma Works of the Yogācāras and Their Practical Uses

使用言語:英語(通訳なし)

講演日時:2012年9月18日(火)15:30-17:30

講演場所:東京大学東洋文化研究所3階 第一会議室 http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

問い合わせ先:馬場紀寿 (norihisa[at]ioc.u-tokyo.ac.jp)



登録種別:研究会関連
登録日時:TueAug2113:41:232012
登録者 :馬場・藤岡
掲載期間:20120821 - 20120918
当日期間:20120918 - 20120918