本書は、社会学と倫理学の視点から、近現代日本の食規範と実態の変遷をたどり、現代における「食の豊かさ」とその剥奪状態としての「食の貧困」とは何かを探求した一冊です。
「2人に1人」が貧困状態にあるとされるシングルマザーの食生活調査をはじめ、食の社会学や食の倫理学の学説史、日本とフランスの食料政策など、広範な内容を収録しているため、さまざまな角度から読んでいただける一冊です。本書の発展的段階として、現在は東文研で東アジアにおける「食の豊かさ」比較調査に取り組んでおります。
「善き食生活」とは何か ——。「崩食」を背景として、栄養学や伝統・自然など多様な指針が乱立するいま、食の豊かさ/貧困をどう再定義するかが問われている。社会学と倫理学を結び合わせて「食潜在能力」の考え方を提示し、日本食文化の歴史的考察と現代の食卓調査から、私たちの食生活を問い直す力作。
担当:上田
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