開催日時:2024年10月19日(土)10:30 ~ 12:00、14:00 ~ 15:30
会場:東京大学 東洋文化研究所 3階 大会議室およびZoomウェビナーによるハイブリッド開催
講師: 午前の部 渡邊祥子 准教授(西アジア研究部門)「植民地期アルジェリアのナショナリズム運動と女性たち」
午後の部 柳 幹康 准教授(国際学術戦略室)「境界を越える仏教」
2025年10月18日(土)に第23回 東京大学東洋文化研究所 公開講座『アジアの境』が Zoomウェビナーおよび一般の方を当研究所にお迎えし、ハイブリッドで開催されました。 本講座は東京大学ホームカミングデイのイベントのひとつとして行われ、大勢の方にご参加いただきました。
午前の部では、映画『アルジェの戦い』を例に、本講演内でアルジェリアのナショナリズム運動で活躍した女性たちの姿が鮮明に映し出されました。
独立戦争開始前に遡り、植民地支配を支える様々な分離—支配者と被支配者、フランス語とアラビア語、男性と女性—の間の境界を乗り越える女性たちの活動について詳細に語られました。
午後の部では、約2500年前にインドで生まれた仏教が国・文化の境界を越えて各地に伝播し、のち中国で禅宗という新たな一派が生まれる流れをわかりやすく説明されました。禅宗は理想と現実の境界を越え、従来は原則不可能と考えられていた今生での成仏(理想の人格の実現)を説くもので、本講演ではその思想的・時代的な背景について詳しく論じられました。
公開講座終了後のアンケート結果では、「独立がいかに大変だったかを知るきっかけになった。女性の教育に対する考え方が国や地域によってかなり差があることを知った。とても興味深い話が多く、面白かった。」「アルジェの戦いのアルジェリア人女性の描き方が現実を正しくとらえていないと言う話から、それ以前から境を越える女性たちがいたという話の流れはとても秀逸で大変面白いご発表でした。」 「言語が重要な役割を担って演劇やラジオがナショナリズムと密接につながっていた点に興味を抱いた」「仏教が国境を越えて普及した段階で、様々に変化するさまを理解できた。」「仏教の話、大変楽しくダイナミックな歴史を教えて頂きました。頭の中が大分整理できました。」「午前の部と午後の部とで、一方は一定の地域の一定の期間におけるお話で、もう一方は広範囲の地域の何世紀にも及ぶお話で、対照的で面白かった。」「普段関心を持たない事柄から興味を引き出してくれる講座だと思う。」など参加された皆さまから多くの好評をいただきました。