以下の通り、第174回目の東文研・ASNET共催セミナーを開催します。
日時:2017年11月9日(木) 17:00-18:00
会場:東京大学 東洋文化研究所 1階 ロビー
報告者:石田貴文氏(東京大学・ASNETネットワーク長、理学系研究科教授)
題名:民族疫学:アジアの視点から
使用言語:日本語
要旨:
ASNETに関わることになったのは運命と思い、始めに自己紹介として私とアジアの生物学的的関係をご紹介します。それから、アジアからの発信をということで、「民族疫学」分野の研究を紹介し、経験したことを共有したいと思います。民族疫学(Ethnoepidemiology)という用語は1980年代には殆ど聞かず、気がついたら90年代にはよく耳にする用語になっていました。民族(集団)に偏在する疾病(風土病もしかり)の病因を探るのが始まりで、特に日本では、癌研究の分野でよく使われました。私もウイルス性癌の調査を人類学的視点からしていたのと、アジア人に見られる疾病が「非定型的疾患」と分類される欧米の医学教科書に不満を持っていたので、この分野に入っていきました。今回のセミナーでは人類の多様性をベースに、「お腹の調子」と「リンパ腫」の「民族疫学」を紹介します。