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東文研セミナー「ブックセミナー『尋租中國:台商、廣東模式與全球資本主義(中国をレントシークする:在商,広東モデルとグローバル資本主義)』」のお知らせ

日時:2019年5月20日(月) 17:30-19:00

会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室

題目:ブックセミナー『尋租中國:台商、廣東模式與全球資本主義(中国をレントシークする:在商,広東モデルとグローバル資本主義)』

報告者:呉介民(中央研究院社会学研究所副研究員,コロンビア大学政治学博士)

司会:黄偉修(東京大学東洋文化研究所)

討論者:川上桃子(アジア経済研究所),園田茂人(東京大学東洋文化研究所)

使用言語:原則として中国語(討論に際しては日本語での質問も可)

報告者紹介:コロンビア大学政治学博士(1998年)。国立清華大学社会学研究所副教授(2002〜2011年)を経て現職。専門は政治経済学,政治社会学。台湾における「中国の影響力メカニズム」研究の第一人者としても知られる。

講演要旨:
 報告者は,1990年代以来,「台商」(中国で事業を行う台湾企業やその経営者ら)に着目して,中国のグローバル化の過程とメカニズムに関する研究,なかでも「広東モデル」の分析を行ってきた。今回のセミナーでは,その集大成として今年3月に刊行した『尋租中國:台商、廣東模式與全球資本主義』(台大出版中心)の概要を報告する。
 中国の奇跡的な経済発展の特質やそのメカニズムについては,いまだ十分に解き明かされていない問いがある。中国が資本主義への転換を遂げていく過程で,グローバルなレベルとローカルなレベルはどのように結びついたのか?台湾企業はその過程でいかなる役割を果たしたのか?「広東モデル」はなぜ,中国の興隆の鍵となったのか?
 本書では,これらの問いを考察するにあたり,グローバル・バリューチェーン論を修正した分析視点を用い,中国が1980年代に始まった労働集約型 産業のバリューチェーンの新たな地理的拡大のダイナミズムを捉えて,世界の工場へと発展していった過程を明らかにする。台湾企業は,グローバル・バリューチェーンが広東へと拡大していく過程の前衛となったのであり,台湾企業なくして,広東の輸出志向型の発展モデルはありえず,広東モデルなくして,中国の経済的興隆もまたありえなかった。報告ではまた,「レントシーキング型国家」という枠組みから,中国の発展のダイナミズムと,中国が現在直面している問題を論じる。

備考:本セミナーは、日本台湾学会定例研究会(東京)および科学研究費基盤A「対中依存構造化と中台のナショナリズムーポスト馬英九期台湾の国際政治学ー」(代表:松田康博)研究会との合同開催となります。

主催:佐橋亮研究室

担当:佐橋



登録種別:研究会関連
登録日時:ThuMay910:06:172019
登録者 :佐橋・藤岡・田川
掲載期間:20190509 - 20190520
当日期間:20190520 - 20190520