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12年度第1回Asian Studies Seminar

Asian Studies Seminar
日時:7月6日3時ー6時
場所:東洋文化研究所第二会議室
発表者  宮崎広和(東洋文化研究所外国人研究員 ノースウェスタン大学人類学部講師)
発表題目 論理的人格−東京金融市場における科学とライフヒストリー
 The”logical”Person:Science and Life History in theTokyo Financial Market

発表要旨

 先物・オプションをはじめとする金融商品いわゆるデリバティブズが世界の
金融市場に大きな影響力を及ぼすようになった1990年代は、科学の世界が
マネーの世界と衝撃的な出会いを遂げた10年間でもあった。金融工学で
先行したアメリカでは数学者や物理学者たちが高等数学やコンピューター
技術を駆使した複雑なモデルによって金融市場を制覇しようと試みた。
こうした野望も1990年代後半を次々と襲った金融危機の前に幻想と化した
ように見える。
 日本でも1980年代末から1990年代初頭にかけて銀行・證券会社などの
日本の金融機関はこぞって理工系の学生を採用し、製造業から技術者を
引き抜き、1990年代後半までトレーディング技術・デリバティブ商品の
研究開発に明け暮れた。あいつぐ証券不祥事や銀行の破綻、そして金融
再編・自由化の流れのなかで、これらの理工系のトレーダーたちも現在
様々な道を歩みはじめている。この発表ではある証券会社の自己売買ト
レーディングチームに在籍した人々に焦点をあて、東京市場において科
学の世界とマネーの世界が個々人のライフヒストリーの中でどのような
出会いを遂げたのか検討する。
登録種別:研究会関連
登録日時:Thu Jun 22 15:42:09 2000
登録者 :Asian Studies Semina
掲載期間:20000609 - 20000706
当日期間:20000706 - 20000706