2020年1月16日(木)14時より、2019年度第4回定例研究会が大会議室にて開催された。発表者は佐橋亮准教授で、「東アジア秩序をいかに捉えるべきか 〜大国政治・同盟・協力」と題する研究報告が行われた。35名の参加者があり、米国側の外交戦略に対する分析を基軸としながら、主として1960年代以降の中国と米国の関係、台湾や日本への影響、および東アジアの秩序構築・維持に関わる動きについて、また東アジア秩序に関する近年の主要なディスコース紹介も交えながら、活発な議論が交わされた。
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日時:2020年1月16日(木) 14時~16時
題目:東アジア秩序をいかに捉えるべきか 〜大国政治・同盟・協力
発表者:佐橋 亮(東京大学東洋文化研究所・准教授)
司会:松田 康博(東京大学東洋文化研究所・教授)
コメンテーター:大庭 三枝(東京理科大学・教授)
使用言語:日本語
概要:
二〇世紀後半のアジアは、脱植民地化を達成する一方で、冷戦の激しい政治対立から大きく影響を受けた。アジアは、軍事衝突の主たる舞台でもあった。報告者は『共存の模索』(勁草書房、2015年)において、アメリカと中国が台湾問題という極めて扱いづらい問題を抱えながらも、朝鮮戦争以降は度重なる危機のなかで衝突を避けることに成功し、やがて接近へと至る道筋を描いた。その後、アメリカは日本などとともに、中国の発展につながるあらゆる支援を与え、そして米中両国を含めた東アジアの地域化が進展してきた。しかし、中国の成長と影響力の増加、科学技術の長足の発展は、アメリカと中国の関係性を変えつつあり、米中の安定に依拠してきた東アジア秩序の根幹を問い直している。本報告は、報告者の編著書『冷戦後の東アジア秩序 秩序形成をめぐる各国の構想』(編著、勁草書房、2020年3月刊行予定)などに依拠しながら、東アジア秩序のかたちを論じたい。
担当:佐橋