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教員の著作が刊行されました
森本一夫著『 《世界史リブレット人》019.アリー 伝説になった神の獅子』(山川出版社)

著者からの紹介

森本先生著作

 この本は山川出版社の「世界史リブレット 人」シリーズの一冊として刊行されたものです。主役のアリーは、イスラーム教の創始者であるムハンマドにとても近しかっただけでなく、シーア派にはムハンマド没後の教団国家の最初の指導者(イマーム)と、スンナ派には4番目の指導者(カリフ)とみなされる、イスラーム史上の超有名人です。「世界史リブレット 人」シリーズでは、多くの場合、主題となる人物の評伝が史実として書かれるのですが、この本は、アリーは後の世にどう語られてきたかに重点を置いています。史料状況からアリーの実際の生涯を細部にわたって語るのは困難なことが一因ですが、同時に、アリーに対する語りを切り口にしてひとつの 「イスラーム史」を描いてみたいという気持ちもありました。カバーの袖には以下のようなメッセージを入れてあります。

預言者ムハンマドの父方のいとこ、「育ての子」にして娘婿。草創期のムスリム共同体でのアリーの実際のキャリアは、この華々しい出自に反して決して順風満帆なものとはならなかった。しかし彼は死後に見事に巻き返す。後世のさまざまな語りのなかで「伝説」と化した「神の獅子」の姿を通じて、イスラーム教の宗派的・歴史的多様性や歴史観、また歴史のなかで形成される集合的な記憶やイメージというものの性質や力を考えてみよう。

 

 

担当:森本


著者・訳者紹介や目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:ThuApr2515:18:042024
登録者 :森本・野久保・多田・廣田
掲載期間:20240425 - 20240725
当日期間:20240420 - 20240420