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東文研セミナー(「多言語状況と言語政策史の比較研究 1」)のご案内(4月24日)

日時 2010年4月24日(土)午後2時~6時
場所 東京大学東洋文化研究所大会議室

<報告1>
氏名:小田桐奈美(筑波大学大学院)
題名:「クルグズ(キルギス)共和国における国家語の形成―ステータス計画
の観点から―」
要旨:本発表では、まず中央アジアのクルグズ共和国の言語状況を、他の旧ソ
連諸国と比較しながら概観する。その上で、クルグズ語が国家語として制定さ
れた1989年以降、「国家語」が形成されていく過程を、主にステータス計画の
観点から論じる。

<報告2>
氏名:大泉さやか(一橋大学大学院)
題名:「口承の文字化と文字の口承化:ベトナムのムオン人自身による自言語の表記」
要旨:本報告では、ベトナムの少数民族ムオン人がローマ字を用いて自ら自言
語の表記を行い始めた事例を取り上げる。従来のいわゆる「文字文化(リテラ
シー)」と「口承文化(オラリティ)」の研究においては、「口承文化」から
「文字文化」への移行という枠組みが用いられてきた。この事例も一見、ムオ
ン人による自言語口承の文字化であり、「口承文化」から「文字文化」への移
行という枠組みに当てはまっているようにも見える。しかし、ムオン人たちが
文字化したテキストの使用法を見ると、ムオン人たちはベトナム語の文字を自
らの「口承文化」に取り込んでいるとも言える。「文字の口承化」とでも呼ぶ
べきこの事例を考察することにより、文字と口承に対する見方を再考すること
につなげたい。

東文研班研究「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」

※本セミナーは、多言語社会研究会、及び、科学研究費補助金「言語政策史の
国際比較に関する総合的研究」(基盤研究(B)課題番号21320113)との共催
で行われます

問い合わせ先
東洋文化研究所 名和克郎 nawa(at)ioc.u-tokyo.ac.jp


登録種別:研究会関連
登録日時:Thu Apr 22 13:24:06 2010
登録者 :研究支援担当
掲載期間:20100422 - 20100424
当日期間:20100424 - 20100424