中華人民共和国の行政法につき標記の問題を論じた。全国人民代表大会(その常務委員会を含む)が定める「法律」に限る場合には、いまだ形成過程であるとの結論を示した。税制に関しては1980年代に国務院に立法を授権するというあり方が現在でも残っていること、新たな立法法によって5年以内にこのあり方は改められる可能性があることなども議論された。
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【日時】 2015年6月15日(月) 15:15-16:40
【会場】 東京大学 東洋文化研究所 3階 第2会議室
【講演者】 高見澤 磨(東京大学・東洋文化研究所・教授)
【題目】 中華人民共和国行政法を「法律による行政の原則」の物語としてどの程度描くことが可能か
【要旨】
中華人民共和国にも「行政法」と呼ばれる法領域があり、また「法治」も重要な原則として語られる。しかし従来は、中華人民共和国の行政法を日本の法学教育において行われている「法律による行政の原則」と同じように描くことは困難であった。しかし、近年、行政許可法、行政強制法、行政処罰法などの行政行為に関する法整備が進み、また、情報公開制度も導入されつつある。この面から、題目のようなことを試みる。
【主催】 東京大学・東洋文化研究所・班研究「中国法研究における固有法史研究、近代法史研究及び現代法研究の総合の試み」(主任 高見澤 磨・東京大学・東洋文化研究所・教授)
附記 :この報告は日本学術振興会・科学研究費助成事業(基盤研究(B)(一般))「現代中国思想史構築のための中国知識界言説研究」(課題番号24320022。代表:石井剛・東京大学・准教授。平成24年度~平成27年度)の成果の一部です。
担当 :高見澤