7月25日(月)、「海上の旅人たち:遣明使・通信使に関する瀬戸内海の港の調査」と題する東文研セミナーが開催された。報告者は、復旦大学文史研究院から訪問学者として本研究所を訪れている朱莉麗副教授である。朱さんは、2015年に文史研究院から刊行された『朝鮮通信使文献選編』全5巻(http://www.iahs.fudan.edu.cn/cn/publications.asp?class_id=38&id=59)の編集に携わり、そこから朝鮮通信使の江戸への旅に関心を持ったという。そして、今回の1か月余りの東文研滞在の期間に、彼らの足跡をたどるために、対馬と瀬戸内海の港町で精力的に現地調査を行った。それは、彼女の本来の専門である遣明使の立ち寄った港の多くを訪ねる旅でもあった。
報告では、朱さんは、自身が撮影した多くの写真を用いながら、往時の通信使の旅の復元を試みるとともに、訪問した現地の現在の状況をその鋭い観察眼に基づいて説明した。
報告後には、報告の内容の補充や追加を求めるいくつかの質問の他に、朝鮮通信使に関わる他の史料や研究の情報とそれらをも活用した今後の研究の方向性という論点をめぐって、報告者と出席者の間で活発な意見交換が行われた。
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日時: 7月25日(月)午後4時半〜6時
場所: 東京大学東洋文化研究所 第二会議室
報告者: 朱莉麗(復旦大学文史研究院)
報告題目: 海上の旅人たち:遣明使・通信使に関する瀬戸内海の港の調査
司会:羽田正(東京大学東洋文化研究所)
担当;羽田