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『鹽谷温博士『元曲選』全訳稿』の寄贈を受けました

 中国古典戯曲・小説研究の世界的先駆者の一人である、東京帝国大学名誉教授鹽谷温博士は、大正14年から財団法人啓明会よりの研究資金を得て、昭和7年夏に明の臧懋循の編になる『元曲選』(百種の元雑劇を収める)の全日本語訳を完成しておられた。『元曲選』については、その一部(早く大正3年『東亜研究』誌に「梧桐雨」「伍員吹簫」、昭和14年に私家版として『楚昭公』、昭和15年に目黒書店から刊行された『国訳 元曲選』に「漢宮秋」「殺狗勧夫」)が公刊されたばかりで、稿本のまま残されていた。

 このたび、博士の令孫鹽谷健先生より、この『鹽谷温博士『元曲選』全訳稿』(21帙100册)及び翻訳の底本(商務印書館涵芬楼影印本 21帙100冊 すべてに断句、訓点を施す)の御寄贈を受けた。

 『元曲選』百種の全訳は前人未踏の業績といってよく、本所では、この貴重な翻訳稿本を末永く伝えてゆくとともに、今後の研究教育に役立てて行きたいと思う。

(大木 康)



鹽谷温博士『元曲選』全訳稿と翻訳底本

『元曲選』全訳の一部(「漢宮秋」)


鹽谷温博士(昭和7年『元曲選』全訳完成時)



登録種別:研究活動記録
登録日時:SatJul2012:45:012019
登録者 :大木・藤岡
掲載期間:20190720 - 20191020
当日期間:20190720 - 20190720