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教員の新著が刊行されました
髙見澤磨・鈴木賢・宇田川幸則・坂口一成 著 『現代中国法入門 第8版』(有斐閣)

編者からの紹介

 

 初版は、1998年である。版を重ねて累計29800冊となった。外国法研究は基礎法学に属する。基礎法学の書籍が3万に届きそうなところまで続いた。読者及び出版社に感謝する。
 初版時には、木間正道・鈴木賢・髙見澤の3名の共著であった。4版からは宇田川幸則が加わり(但し、年表作成などでその前から作業に加わっていた)、7版では木間の明治大学退職を機に髙見澤・鈴木・宇田川の3名となり、8版では坂口が加わった。執筆者の交代がありながら書籍として同一性を保ち、内容を改めつつ版を重ねている。共著というありかたのおかげである。章ごとに原案作成担当者を決めつつも、原案に対しては全員で検討し、最終的には、執筆者はいずれの部分についても責任を負うものとなっている。手間はかかるが、大学教育の教科書として、また、実務家の入門書としての質を保つためには必要であると考えている。執筆者に変更があるならば書籍としての同一性はない、という考え方もあるかもしれない。確かに原案作成者の癖は残る。
 7版は2016年3月出版であった。8版までの間には、2017年の民法総則制定、2018年の憲法改正などがあり、このほかにも多くの立法や改正があった。民法総則は2020年に予定されている民法典制定につながるものであり、ここからは市場メカニズムを支える法という側面を見ることができる。憲法改正からは(一部民法総則からも)、共産党の領導のもとに社会主義強国となることを目指す意思を読み取ることができる。このふたつのことは、教科書でとりあげた全ての法分野において多かれ少なかれ現れている。
 本書は教科書として書いたので、できれば2度読んで欲しい。まずは、日本法を下敷きに、権利と義務、罪と罰、手続的正義という日本の法学部で教わる法の延長線上に読んでいただきたい。次に、法は共産党が中国を豊かで強い国にするための道具であり、司法は共産党によるよき統治を示す道具であり、それが中国のいう「法治」であるという観点から読むことを勧める(第1章で触れる固有法についての記述も利用してほしい)。
 紙媒体の宿命として定稿後の新たな情報は、次の版を待たなければならない。しかし8版からは立法・法の改廃・正誤の情報を有斐閣のサイトで示す予定である(8版序参照)。
 まずは2019年11~12月の情報から始める予定である(1月掲載予定)。

(文責 髙見澤 磨)


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:SatJan1814:10:542020
登録者 :高見澤・野久保(撮影)・田川・藤岡
掲載期間:20200119 - 20200419
当日期間:20200118 - 20200118