内外の5人の歴史家が新しい研究分野であるグローバルヒストリーについて語り合う「グローバルヒストリーの可能性」と題するシンポジウムが、9月9日(水)に、本郷キャンパスの福武ホールで開催されました。これは、日本学術振興会研究拠点形成事業による「新しい世界史/グローバルヒストリー共同研究拠点の構築(Global History Collaborative=GHC)」が、第1回サマースクール開催に合わせて本研究所を訪れた4人の著名な外国人歴史家を迎えて企画したものです。
登壇者は、プリンストン大学(米)のジェレミ・エイデルマン(Jeremy Adelman)教授、ベルリン・フンボルト大学(独)のアンドレアス・エッカート(Andreas Eckert)教授、ベルリン自由大学(独)のセバスチャン・コンラッド(Sebastian Conrad)教授、社会科学高等研究院(仏)のアレッサンドロ・スタンチアーニ(Alessandro Stanziani)教授、本研究所の羽田正教授(兼司会)です。まず、各国におけるグローバルヒストリー研究の枠組みと現状が紹介され、各国ごとに重点の置き方や文脈が微妙に異なる研究の現状が明らかになりました。次いで、コンラッド教授が、GHCネットワークとして5人が合意しているグローバルヒストリー研究の5つの方法を解説した後、グローバルヒストリー研究の持つ様々な可能性について、各研究者が自由に考えを述べるとともに、いくつかの具体的な応用例が紹介されました。羽田教授は日本におけるグローバルヒストリー研究の意味と方向性について語りました。登壇者同士の質疑ののち、聴衆と登壇者との間でも活発な質疑応答が行われました。シンポジウムのより詳細な報告は、サマースクールについての報告と合わせ、近くGHCのウェブサイトで公開される予定です。
当日は、激しい雨に見舞われる悪条件にもかかわらず、学生や研究者を中心に百名を超える聴衆が集まり、グローバルヒストリー研究への関心の高さがうかがわれました。
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日時: 2015年9月9日(水) 16:30~18:30
会場: 東京大学 情報学環 福武ホール
登壇者:
Jeremy Adelman (プリンストン大学)
Alessandro Stanziani (社会科学高等研究院)
Sebastian Conrad (ベルリン自由大学)
Andreas Eckert (ベルリン・フンボルト大学)
羽田 正(東京大学)
使用言語: 英語(日英同時通訳あり)