今回の研究会は、アルジェリア・シュレフ大学人文社会学部教授のMohammed-Salah Boukechour氏による講演会(日本語逐次通訳あり)の形式で行われた。
Boukechour氏によると、1830年のフランスによるアルジェ征服はフランス国内の政治的な事情によるもので、経済的な目的に基づいていたわけではなかった。アルジェリアにおけるフランスの政策の矛盾は、自らワイン生産・輸出国であるフランスにとって経済的にはほとんど必要がなかったアルジェリアでのワイン生産を植民地産業の主軸に置いたことであった。入植者を主体とするワイン生産業に与えられた優位性は、アルジェリア人を経済の周縁に追いやる不平等な経済制度をアルジェリアに生み出した。
講演の後、会場からの質問を受けた質疑応答が行われた。質疑においては、東アジアの植民地化との比較や、フランスの経済政策に対する現地からの抵抗運動、さらにはワイン以外のアルジェリアの産業にまで質問が及び、活発な議論が交わされた。
なお、この研究会は科研費基盤研究(C)(一般)2 4 K 0 4 2 8 2「イスラーム教育の社会的機能に関する国際共同研究:後期植民地期アルジェリアの事例」の助成を受けた。
日時:2026年7月20日(月)15:00~17:20
場所:東京大学 東洋文化研究所
言語:フランス語(逐次通訳付き)
プログラム:
15:00~15:10
開会(渡邊祥子(東京大学))
15:10~16:50
Mohammed-Salah Boukechour氏講演「Économie et colonialisme en Algérie (1830–1962) : Autopsie d’une anomalie structurelle」(アルジェリアの経済と植民地主義(1830–1962):構造的異常の解剖)
16:50~17:20
会場からの質疑と応答