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東文研セミナー"Japonya'da Sohbet-i Osmaniye-6" が開催されました

報告

 2023年3月6日(月)に東文研セミナー、ワークショップ "Japonya'da Sohbet-i Osmaniye-6" が開催された。このワークショップは、オスマン帝国史研究を専門とする国内の若手研究者と海外の第一線の研究者との対話を通じて、研究の交流と発展を図る目的で開催されてきたものである。今回は、3人の若手研究者の報告に対して、オスマン帝国の対外関係を主な専門とするグリニッジ大学のMichael Talbot氏がコメントや質問をするという形で進められた。
 永島氏の報告は、青年トルコ革命前夜のマケドニアにおける軍の対叛乱作戦が、ブルガリア系住民に対する暴力に結びついた構造を分析した。鈴木氏の報告は、オスマン帝国末期のイズミルにおける医療・衛生制度の発展について市当局と市行政医に着目して論じた。成地氏は、19世紀後半のオスマン帝国における難民の定住と難民への支援について、地方住民や海外からの支援にも注目して報告した。
 これらの報告に対してタルボット氏は、日本において若い世代によって新しい独創的な研究がなされていることに感銘を覚えたと述べた。そして、永島報告に対して、写真やエゴドキュメントの史料としての利用法や社会的ダーウィニズムの影響などについて、鈴木報告に対しては地方の新聞の執筆者や読者層、イズミルの多宗教状況と国家医療制度との関係などについて、成地報告に対しては、嘆願書から得られる情報や義捐金の性格などについてタルボット氏から質問がなされ、応答と議論が行われた。

当日の様子

開催情報

【日時】2023年3月6日(月) 16:00〜18:00

【場所】東京大学東洋文化研究所第2会議室

【プログラム】
Speakers:
Iku Nagashima (U Tokyo): The Ottoman Counterinsurgency and Violence on the Eve of the Young Turk Revolution
Shingo Suzuki (Independent researcher): The Modern Ottoman Medical and Sanitary System and Local Society: Izmir at the Turn of the 20th Century
Sota Naruji (Meiji U): Refugee Settlement and Assistance in the Ottoman Empire in the Late 19th Century

Discussant:
Michael Talbot (University of Greenwich)

Moderator:
Madoka Morita (TUFS)

*このワークショップは科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム共同体の理念と国家体系」(20H05827)と科研費基盤研究(B)「オスマン帝国における社会階層とジェンダーに関する国際共同研究」(20H01322) の支援を受けて開催されました。

担当:秋葉



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonMar2015:23:072023
登録者 :秋葉・田川
掲載期間:20230321 - 20230621
当日期間:20230306 - 20230306