題目:中期南アジア仏教と仏教文化圏の形成
講師:伊藤有佑(東京大学東洋文化研究所、特任助教)
日時:2026年7月13日(月)15:00-16:00
会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室
司会:馬場紀寿(東京大学東洋文化研究所、教授)
講演要旨: 紀元前後から紀元後五世紀頃にかけての南アジア仏教、すなわち「中期南アジア仏教」は聖典編纂や学派形成などが見られる点で、仏教思想史において最も豊饒な時代であった。しかし、この時代区分に依拠した議論は、その提唱者であるグレゴリー・ショペンによるものを除いてほとんど進められていない。ガンダーラ写本の発見に伴い下限年代の重要性が認識された今こそ、現存する仏教資料の多くがこの「中期南アジア仏教」の時代以降のものであるということを踏まえ、仏教史を考え直す必要がある。そして、仏教が南アジアから中央アジア、東アジア、東南アジアに伝播し、各地域における仏教文化の基盤が形成されたのもこの時代である。本発表では、南アジア仏教史における「中期南アジア仏教」の位置付けと、それと並行して各地に伝播した仏教の特徴とその南アジア仏教との関係性を議論する。