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松田教授が南開大学(4/15)、武漢大学(4/25)、北京大学(5/23)で講演をしました

 松田教授が、4月15日に中国・天津市の南開大学日本研究院、4月25日に武漢市の武漢大学日本研究中心で、5月23日に北京大学政府管理学院で、「安倍政権の外交安全保障政策の決定過程」という同じテーマの講演を行いました。

 松田教授は同講演で、以下の議論を展開しました。まず、中国には「失われた15年」を経験して「右傾化」した社会が安倍政権を生み、対中強硬政策や、首相が靖国神社に参拝しなければならないような社会状況があり、政治家がそれを利用しているという仮説があることを指摘しました。実際には、日本社会はそれほど「右傾化」しているわけでも、戦争を期待するほど不安定化しているわけではないこと、安全保障環境の悪化により政権が安全保障政策の強化をするたびに支持率低下のコストを支払っていることを指摘しました。次に、安倍政権の特徴は、耳目を新たにするアベノミクスによって、高い支持率を維持し、予算編成時期を避けて不人気な安全保障関連法案や政策を実現していく政権運営の老練さにあることを指摘しました。外交面では、2014年11月のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議での関係改善を見越して、約1年前に靖国神社を参拝することで、双方が妥協不可能な主権・領土の問題から、妥協可能な「歴史問題」に焦点を移したこと、その後日中関係の安定と靖国神社不参拝を事実上「交換」していることなどを指摘しました。

 南開大学の大学院生約30名、武漢大学約30名、北京大学約50名の参加者があり、日中関係や日本外交などについて活発な議論が展開されました。

 なお、各大学での講演の様子は以下のウェブサイトで見ることができます。
https://mp.weixin.qq.com/s/pucU1d1bj2S0v3kaIZOhcw
http://www.iis.whu.edu.cn/index.php?id=2363
http://www.sg.pku.edu.cn/wzsy/xyxw/1305914.htm



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonJul0805:31:392019
登録者 :松田・藤岡
掲載期間:20190523 - 20190823
当日期間:20190523 - 20190523